第6回 clubES エスクミ・矢板
 「秋の夜長にエスクな談義はいかが? 相変わらず特になにをするわけでもなく、のらりくらりやりたいと思います」
 こんな案内が届いては、行かぬ訳にはいくまいというのが、クラブESの懲りない面々と、エスクードミーティングの魅力です。9月の矢板市郊外はまだ夏。
「アウトドアフィールドアレスクラー弓張」にて、オートキャンプ場とオフロードコースを借り切り、やってきたのは良いのですが・・・
 八方ヶ岳を望み、栃木県民の森のフィールドに囲まれたこのオフロードコースは、難攻不落の赤土のコース。傾斜30度を超えるすり鉢があったり、超ロングなヒルクライムがあったり、「これ以上やると重機でも登れなくなっちゃう」という冗談も飛び出すとんでもないフィールド。
「エスクードできた人は今まで居ないけど、クルマを壊すような岩なんかはないから心配ないよ」というのがオーナーのアドバイス。
 でもそれって、ドライコンデイションでのお話。赤土の山に雨が降ったら・・・
 そして、仲間内で「言ってはならない迷信」、『幹事がデビューするときの集まりは、必ず雨が降るのだ』が、今回も大当たりしてしまったのです。
 開拓農家の一軒家を借り切ってのエスクミベースキャンプは、例によって晩飯づくりの喧騒と、飲んだ食ったの宴会と、夜が明けるまで語り明かすハイテンションが展開したそうです。
「したそうです」というのは、取材兼下働きの私が、急遽の使用で初日に参加できず翌朝現地に到着したため、ベースキャンプは「兵どもが夢のあと」状態であったところから想像するしかないからです。
 この手のイベントは、みんなで力を合わせるから楽しくて、形ができていくものですが、それを見守る幹事は、実際のところはどんな小さなことでも気がかりになるのです。おまけに「言ってはならない迷信」を背負うのですから、苦労するのよね。
 エスクミとしては初めてのオフロードコース走行を取り入れ、エスクードの底力を見せつけ・・・る前に、まず幹事が自ら泥の罠に。MTタイヤを装備しての果敢さもむなしく、白いエスクードは水遊びをするサイと化していきます。私のクルマなんかもっと惨めで、コースの入り口で轍にとられてお話にもならない(デジタル写真を撮ってもらったのですが、幸か不幸かシャッターが切れていなかった・・・ほ、ほんとですよっ)。
 しかし笑ってはいられない。バリバリのクロカンドライバー達も、コースのこつを掴むまでは行きつ戻りつの奮闘を展開。「攻略できなかったら帰れない」と、言ったかどうかは知りませんが、丘の頂はけっこう遠かったようです。
 ジンクスの天候は、一同がコースにいる間だけ、サービス満点の秋雨を降らせておりました。