《あーまーどらすかる計画》

 我が家のエスクードは、1995年10月にV6カタログモデルのハードトップとして納車されました。
V6は、その年の暮れに生まれた長女が2歳になる夏のある日、「らすかるー」と、たどたどしい言葉で指をさしたことから命名され、長女がイメージしたアライグマのことは無視して、「いたずら小僧」「小悪党」という「RASCAL」の意味性が気に入り、今に至っています。
 既報の通り、2001年3月、らすかるは積算走行距離が20万キロを突破し、その間にさまざまなカスタム化を施してきましたが、いずれもクルマ自体には変化の見られない、控えめなカスタム化に留まっていました。
 その都度、脳裏をよぎるのは、以前乗っていたハードトップの最終形態。89年型ヘリーハンセン仕様として装備されていたオートエキスポ製の大型ルーフキャリアと、これに合わせてあとから取り付けた同社のグリルガード及び補助灯組み込みシステム。今となっては、エスクードとしてはクラシックなスタイルですが、これをらすかるで実現できたらという思いはずっと蓄積されておりました。
 キャリアについては、自ら「怪造」を繰り返してノマドをびたあら化(最近はぐらんどびたあら・わいど形態)している隣町のコムロくんの協力で、キャリアそのものを譲っていただき第1段階が偶然にも完了しました。
 しかし、ガードに関しては、取り回しが異なり、2000モデルには取り付けられないという弊害から、探すこと自体を断念していたのですが、これも「付けようと思って付かないものはない」の周囲のあおりにほだされ、2001年夏、インターネット上で販売に出ていたスズキアリーナ尼崎のガード(1600ノマド用)をあたってみたところ、同店、森所長(当時)の親切なアドバイスもいただき、これを譲っていただくことができました。
 届いたガードは新品。補助灯も初期のものより防水カバーや配線が改良されています。
 ただし、2000モデルには確かに付かない取り回し。車体側、ガード側を加工しつつ取り付けていく必要があり、助っ人を捜さねばなりません。
 ここで、第1回エスクードいじり系オフ会、第2回SIDEKICKさんの「“颱風X”足回り交換」で類い希なる力と技を発揮していた面々に再び集まっていただき、、第3回で「あーまーどらすかる計画・第一レグ」として展開しました。
 同じガードを1600時代に自分で取り付け、今でもバンパーはずしに1分を必要としないコムロくん、輸入パーツには詳しいたけさん、そしてクルマを切ったりはったりする技術にかけては「ギャラリーにしておくわけにはいかない」ひろたんとLANさん。あーまーど化にあたって、メッキのヘッドライトベゼルが不要になり、ノーマルベゼルを探していたら、交換してくれるというプーさんが協力してくれました。
 SIDEKICKさんは日頃から「くうねるあそぶ」担当だと豪語しているのですが、今回はジェットヒーターの給油と管理です。
 これで嵐田はなんにもやらなくてもいいという(おいおい)
 ガードは本当に付くのか付かないのか。デザートOXという別のガード(これも1600用)を2000のノマドに取り付けたという、ひろしくんの実績とアドバイスも得ていたため、基本的には何をやればいいかは定まっておりました。
 強度を取るための取り付けステーを増やし、バンパーの補助灯を撤去し、穴を開け直す。取り回しが異なる部分は、ステーの加工で対応する。
 嵐田・コムロは、適当な鉄材を調達して補強用ステーに流用しようとしましたが、ひろたんは「ここにあるクルマとガードの構造材を駆使して、できるところまでフィッティングさせよう」と、バンパー内部の構造材、もともとあった補助灯の取り付けステー、そのために開けられたボルト穴をひとつひとつチェック。
「今日こそはギャラリーしに来たのにぃ」などと言いながら、嬉々として愛車のノマドから次々と道具を運び出し、穴を開け、リベットを打ち込み、パーツを合わせていきます。
 その道具の豊富さと使いやすさもさることながら、“刃を交換する際は、一度電源プラグを抜かないと、ねじまわしがドリル本体に届かない”という道具の安全対策などが、集まった一同の感心と関心を呼んでおりました。
「クルマまで道具を取りにいって帰ってきたらもうバンパーがはずれている。コムロさんの腕前も普通じゃない」(ひろたん談)
 普通、バンパーを1分で解体する人は居ないかもしれない・・・
 そしてLANさん、力技から精密作業まで、歩くISO9000シリーズな彼の現物合わせと施工の品質管理は最強のタッグとなりました。
「あるものを活用するってのは大事なんですよ。ビルの30階でネジピッチが1本だけ合わない、なんてことになったら、まずそのフロアの家捜し」(LAN談。おおい、品質管理は・・・)
「あーまーどで大変なのは、両サイドに取り付けるヘッドライトガード。補助灯が揺れないように上下でボディ側にステーを橋渡すんだけど、2000のフロントパネルだとこれを通す隙間がない」(コムロ談)
 ヘッドライトガードに関しては、ボンネットとグリルパネルの隙間から、新たにステーを制作して上側を確保。下側はフェンダーとバンパーの隙間に既存のステーを差し込む形で現物合わせ。
 かくして切ったはったのあーまーど計画・第一レグは、日没後も作業灯とジェットヒーターのもとで、めでたくガードの取り付けまで完了しました。

 意外なことに、重量が増加したにもかかわらず、ガードの形状が走行中に空気の壁を切り裂き、最高速度への到達時間を早めています。もっとも、スーパーフロントヘビーになったために、制動系に新たな課題も出ています。
 第一レグは、らすかるの“形”をほぼ理想型へ完成させることができました。
「ちょっと待て、第二があるのか???」
 次のレグは、キャリアにルーフボックスをまともに載せるためのアタッチメント制作です。大型キャリアのくせして、ボックスひとつ固定できないというのが泣きどころ。プーさんから譲ってもらったボックスが倉庫に眠ったまま。こうしていじり系オフは次回を予告し、お開きとなりました。