《自転車に乗って》


 自分の記憶と比較すると、子供達は2人とも、自転車をマスターするまでの時間が驚異的に早かった。
 霰は1時間で乗りこなし、霙はいきなり乗りこなした。もちろん最初から補助輪などはつけていない。バランス感覚とタイミングがつかめれば、怖がる前に乗れてしまうのだろう。
 霰は一昨年の夏に乗り始め、左図のようにコースアウトして、土手下の池に転落した(父親と全く同じことを再現)
 霙は上・右図のように、友達のさらちゃんから譲り受けた小さいやつを経て、下図の新型にこの春に乗り換えた。
 2人とも、中学生になるまでは、この変速機やサスペンション装備の自転車で過ごすのだが、中学生になると、通学用の普通の自転車を増やさねばならない。
 それまで、彼女たちの愛車がどのくらいボロボロになるかは、密かに楽しみとしていること。
 まだ手放し運転どころではないのだけれど、そのうちウイリーや、ギャップを使ったショートジャンプくらいはやってのけるはずだ。
 ただ、そういう遊びを出来る場所も少なくなってきた。
 考えてみればこのようなデュアルパーパスな自転車は、昔は無かったのに、自分の頃は舗装道路の方が普及していなくて、どこを走っても砂利道ばかりだった。
 子供達の自転車は、トライアル用ではない。MTB風に、少しだけ振ってある程度。しかし自転車なんて、本来がどこでも走れるものであり、“最初のマシン”でもある。ガレ場や泥濘地にまで連れて行きはしないけれど、どんなところでも平気で走れるくらいには、なってほしい。