密かな林道特訓
裏山を駆け巡る
 BLUEらすかるでは乗りにくさを訴えられたため、林道走行の練習はぷらすBLUEにて行う。

「シートはこっちの方が合うけど、なんなのこのゆらゆらする頼りないハンドル」


 たぶんタイロットの劣化かなー。その割にはこいつ、豪快に登りやがるなー。
 などと幾分ハラハラするものの、やはりコンパクトなコンバーチブルの方が扱いやすいようだ。
 裏山に登りきるとソフトクリームが待ち受けているのだが、霰は実は、車庫入れが下手である。まともに駐車ブースに入れられなければ、できるまで休憩は無い。

「走らせ方はまともじゃないですか?」
「そうだよ、あたしゃ駐車さえなければどこにでも出かけられるんだい」
「それ根本的にだめじゃん」
「あんただっていずれ同じ苦労を味わうんだから覚えとけよっ」

 しかし翌年、次女の霙はいとも簡単にBLUEらすかるを乗りこなすことを、姉はまだ想像もしていない。