天狗の森の山頂にある神社には、開山約1200年という歴史があるらしく、その歴史の途中から、我がご先祖も参拝を続けています。などと言うと信心深い一族に聞こえますが、行ってくるのは初詣程度なので珍しくも何ともないのですが。
 夜明け前に天狗の森に登っていく道すがら、満月の入りが見られました。あとで教えてもらったところでは、この日の月は極めて希な『元旦の部分月食』という天体現象を伴っていたのだとか。しまった、快晴の夜空だったから、知っていればもっと早く出かけていたよ。
 人生初の厄年を無事に乗りきったあられ、人生初の年女を滞りなくおさめたみぞれも、昨年に引き続き初詣に同行です。神社の境内は、年越し詣で組が下山したあとの閑散とした雰囲気ですが、もうすぐご来光の時間。お祓いを受けている間に、直下の大駐車場では渋滞が始まる頃です。

 
「ことしはお賽銭あげて学業成就の祈願をせねば」
 
「お賽銭けちったら効き目ないですからねー」

 この数年、初詣は天候に恵まれ、毎回初日の出を見ることができています。昨年は南アタリア島から超時空要塞が2月に進水し、ことしは木星へ向けてロシアの往還船レオノーフが出航する予定ですが、そんなことを話しても娘らにはなんのことかわかるはずもない。
 とりあえず書き終えるのが遅くなった年賀状を投函して、帰宅したら朝寝を決め込み、昼過ぎに起きてから「2010」のビデオテープを探して久しぶりに見てみようと思ったのがいけなかった。
 雑煮を食って、さあごろごろするぞと炬燵でポジションを固めていると、呼び鈴の音。はて、ことしは妙に年賀状の配達が早いなあと感心しながら庭へ出ると、見慣れた白いエスクードが停まって居るではないですか!
 こ、こ・・・このやろーっ! 予告も無しに来る奴に食わせる餅も蒲鉾もねーぞっ。
 とまあ、やっぱり変わり映えのしない1年の始まりとなるのでした。