土浦の肉屋まで、母と霙を連れてランチに出かけた。
何か感じるものがあって、吹雪も呼び出して店で待ち合わせし、親子3人と孫という面子での昼食。聞くところによると地元生産の良質な黒毛和牛としてはその規模から幻に近いとのことだが、品切れということはなかった。
母にはわずかに認知症の兆しが出ていた。往路で見た景色を、昔の記憶と混同して楽しそうに話す。もうすぐ齢八十になる。霙が絶妙なフォローをしてくれる。
そのときはちょっと困ったなと思っただけだった。
休暇が終わり、先代の赴任地へ戻る。
この昼食が母との最後となった。一か月後、母は急性心不全で逝去。
祖父母以来、十数年経て身内を亡くした。
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