猪苗代から裏磐梯 慣らしツーリング
単に小西食堂のスタミナラーメンが食いたかった

 BLUEらすかるのエンジン修理が完了した2008年11月、新たに積んだH25Aの慣らし運転をかねて、今年最後の紅葉を探しに出かけました。
 既に2日を費やして600kmほど走っていたBLUEらすかるだったので、行って帰ってきて600kmくらいのコースを考えると、小西食堂のスタミナラーメンが浮かんできたので、まだこれを食べたことのない霙を連れて、早朝の猪苗代へ。
 中通りから会津にかけては濃霧の朝。湖畔にはハクチョウとマガモの群れがちらほらとやって来ていて、冬の始まりを告げている・・・と思いきやの小春日和。さらに霧があがっていけば、風車の畑から眺める景色は、冠雪した飯豊連峰まで見渡せる日本晴れ。山々はいろとりどりに紅葉しており、言うことのないツーリングコンディションです。
 「慣らし運転ですからね、わかってますね?」
 浮かれる父親に釘を刺す娘。険しい林道は今回はあきらめ、ただの山道をちょこちょこと走って、猪苗代から中ノ沢へと移動します(どこをどう走っているんだ?)
 
「磐梯山の山肌にある筋目は、スキー場?
 「その通り。傾斜38度の壁があってさ、お父さんはお前の爺ちゃんに、3歳のときにそこへ連れて行かれてスキーを履かされて、置き去りにされたのだ」
 「あー、ぐずったんでリフトから突き落とされたというスパルタなお話の!」
 親子でなんちゅー対話をしているのか。というより、爺ぃとと孫の間でそんな暴露話をしていたのか! いつの間にっ
 親の親はそういう親ですんで、親の子はその子にはもうちょいやさしい。ゲレンデシーズンではないため、磐梯山の噴火と山の成り立ちなどを説明しながら、小西食堂へ向かいます。
 霙、初めて来る店ではないのですが、幼児の頃は食が細く、この店では半チャーハンでお腹がふくれていたのです。このため彼女は、ラーメン類は今まで注文したこともなく、今では大好物となっている鶏肉の唐揚げが載った、名物のスタミナラーメンを食べたことがありませんでした。
 
「おー・・・ぱりぱりのころもに、ふわふわのお肉だー!」
 霙ごのみの味のようです。以前に比べると、あっさり系しょうゆのスープが、さらにあっさりしたかな? とも感じましたが、お店が元気にやっていてなにより。我が家では福島に出かけても白河は通り過ぎ、喜多方にも行かず、なぜかここのラーメンを食っているのです。
 「この後のリクエストは、何かありますか?」
 「お土産買い物と、温泉」
 「温泉は浸かったら帰るのがいやになるから勘弁してー」
 「それなら足湯でもいいよー」
 小西食堂をあとに、裏磐梯のビジターセンターとドライブインで買い物をして、吾妻小富士に行くつもりがうっかり土湯峠に出てしまったので、土湯温泉の足湯に立ち寄ります。
 
「ななな、なんでこんなに熱い!?」
 
「源泉だからなあ。降りてくる途中、一切経山でも噴気が上がっていたでしょ? あれが地球のエネルギーなのだ」
 「でも、いわき湯本の足湯はぬるめだったよねえ」

 土湯温泉の足湯は、確かに我慢比べになりそうな熱さです。真冬だとあれでちょうど良いんだろうか? 駆け足の猪苗代・裏磐梯・土湯ツーリング。慣らし運転はほぼ完了です。燃料は那須高原SAあたりまでは保ちそう。
 「それなら那須の月を買って帰る」
 「しまった。急いでいれば、萩の月を買いに行けた」

 
福島市では宮城のFMを受信できるのです。それくらいの距離にいたので、残念だけれど、萩の月は、また次の機会に・・・