《宇宙食を試食する》

 宇宙航空開発研究機構・JAXA。2003年10月に発足した独立行政法人で、国産ロケットH2Aの開発や、国際宇宙ステーション建設に関わる機関。この名前がどうも覚えにくくて、ついつい母体の一つである宇宙開発事業団・NASDAの名で呼んでしまいます。
 このところ、ロケットの打ち上げも人工衛星の軌道確保もうまく行っていないのが気になりますが、概略は九州・種子島の発射センターでロケットの打ち上げまでを担当し、筑波の宇宙センターで打ち上げ後の管制を行っています。
 その話はまた別の機会というわけで、普段はあまり試すことのない宇宙食の試食というのを子供たちがやりました。
 まずはスペースアイスクリーム。おお「Space」てところが宇宙食だなあと、妙なところで感心するのはお約束。
 このアイスは、パッケージから取り出し、そのままかじるだけ。
 「これ冷たくないよ」
 当たり前です。常温保存状態のフリーズドライなんだから。
 開封して取り出してみると、砂糖菓子のようでもあり、チョーク(おい)のようでもある。迷わず口にしてカリコリとかじると、砕けて溶けだして広がる風味は、間違いなくバニラ味。
 「うーん。冷たくないってところが変だなー」
 冷やしてからかじった方が良かったかも・・・
 次、黄粉餅です。が、ここでハプニング。
 「Space Aice Cakeって書いてある!」
 えっ? なんだって? と、よくよく読めば「Rice Cake」の読み間違い。いわゆるコンピューター文字ってやつ(既に死語じゃないのか?)は、その字体をまだ知らない子供たちには、AとRの判別が付けられないですね。こういうところ、市販向けのデザインとしては、なんだか時代遅れの感もあります。
 こちらはいかにも当たり前のフリーズドライで、左右に仕切られたトレイに6枚の乾燥しきった餅と、黄粉が入っている。トレイを空にして、片方に黄粉を広げ、片方には水を入れます。
 かさかさの餅をこの水に5秒間ほどつけてもどすと、なるほど餅らしい軟らかさと粘りが復活。これを黄粉でくるんで食するわけです。
 「うん、きなこもちだ!」
 「でも焦げ目はつかないねー」
 つくかい、そんなもん。そうそう、水で戻すためにこれは温かくないのですが、お湯は使ってはならないようです。いっぺんでどろどろになっちゃうんでしょう、きっと。
 今回、この2種類だけですが、嵐田は筑波宇宙センターでカレーライスを買ったことがあります。そこそこ食えます。事実上、サバイバルレーションなのですが、大阪万博のときに食った、というかすすったチューブ式のスープなのかシチューなのかわからない、実はステーキらしかったあの時代に比べれば、良くできてます。最近はもっともっと地上での食事と同じテイストの食事が出来るそうですが、嵐田が“現地”でそれを食える機会というのは、巡ってこないだろうなあ。
 ともあれ、がんばれJAXA。スペースプレーンの実用化に向けて。