7年ぶりの高山市はインバウンド効果にあふれていた。観光に訪れている人々に日本人はいないと言い切れるほどの、アジアからの来訪者ばかりだ。
もっとも金曜日なのだから、休暇を取らなければ単なる平日。外国人が目立って当然なのだが、マナーも情緒もあったものじゃない。
きっと高度経済成長期の日本人が、海外旅行でかき捨て嘲笑されていたことと同じ恥がそこかしこで繰り広げられている構図なのだろう。
その来訪者に迎合するかのように、高山の観光資源も変質している。
飛騨牛の握りずしというのもびっくりだが、それを並んで買い求めるスタンド形式の販売は、当然イートインスペースもあふれかえり路上で立ち食いすわり食い。
さんまちの通りでそんな風景を見たら、誰だってがっかりするだろう。だが彼らにはそのような気配りはない。
欧米からの来客の方が、見聞のためにやって来ていることをよく伝え、そしてつつましい。
おもてなし、などという言葉が少し前に流行ったが、来たいところへは来て、苦労しながら日本を受け止めていくことのほうが正論ではないのか?
日本人は親切在り方をはき違えている。いけないことはいけないと、正し諭すすことももてなしの姿だろう。
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