ゴールデンウイークには自力で鉄道を乗り継ぎ、といってもスーパーひたちで一本道だし、乗り換えは仙台駅からの地下鉄南北線だけという、子供でも来られるだろうという簡単な旅をやらせるつもりだった。
よもや東日本大震災などというアクシデントに見舞われるとは思いもよらず、常磐線はいわき以北が壊滅。東北新幹線もダイヤが混乱しているので、やむをえず連休初日に帰省し家族を連れて東北へとんぼ返り。
朝いちばんで喜多方の坂内食堂を攻略し、そのまま米沢の上杉神社を詣で、最上川沿いに桜並木を堪能していったん仙台に入る。
青葉山と国分町を歩いて単身赴任の作戦室で寝起き。翌日は先代のらすかるが20万キロを刻んだ定禅寺通り近くの路地で記念写真を撮り、盛岡の福田パンを目指す。
しかしその前に平泉だろうと中尊寺を一通り見せる。この時点で平泉はまだ、世界遺産への登録承認が知らされていなかった。帰宅してからそのニュースを見ることになるとは知る由もなく、金色堂やその他の建造物と、螺鈿細工を見て歩く。
これに時間を費やしたため、福田パンに電話をすると、なぜか長蛇の列で売り切れ必至。並んでいる人の分も足りないとか。盛岡をあきらめ、花巻のマルカンデパートに立ち寄り、あの大食堂を経験させる。
閑散とした花巻の街とは打って変わって、町中の人々がここにいるのではないかというにぎわいに、霰も霙も大いに驚く。昔ながらのデパート食堂も、初めて連れて行くのでドキドキしている様子だ。
遅い昼食の後、青森は無理でも秋田の桜は間に合うだろうと、横手まで足を延ばし、夕暮れ前の桜並木を見物し、再び仙台へ。北上あたりではまだ残雪に触ることができた。作戦室でもう一泊し、3日目に南下し基地へと帰還する。この間、渋滞は全くなしであった。