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決して受けを狙ったのではありませぬ
 CT型のワゴンRの撮影を依頼され、一通り単独の撮りをすませたのだけれど、一人でやっているとどうやっても走っているシーンをおさえられない。
 ワゴンRをドライブさせるのなら、ワゴンRのドライバーを連れてくるのが一番。という論理的な短絡思考で、MC型のRを所有するまさね手芸部長にお願いした。
 折しもその頃、カービューのブログサイトから、データを一切合切デリートして撤収した直後でもあり、
 「なんだなんだ?」
 「釈明せんかーっ」
 と、もういいじゃんかよーという電話とメールの坩堝にもあったためか、夜会もかねての集まりを設営した。これは実際には、新たに見つけたお店が夜会に活用できるかどうかを、検証する意味合いもあった。
 羅須軽小僧の衣装が、手芸部長によって増殖を始めた時期も重なっていて、夜会は大にぎわいとなった。2ヶ月に3度、浜松と大間を往復するというSIDEKICKさんの荒行も復活して、この夜会には2度目の帰路に立ち寄っている。茨城の夜会に新潟・長野・青森経由でやって来るやつは、もう現れないだろう。
 その青森では、逆に茨城の海を目指して走り出そうと、仕事が終わってからエスクードの整備にいそしむ女の子が、つくばーどの掲示板に投稿を始めた頃でもあった。話題はもういくらでも出てきて、遂に釈明とやらはしなくて済んだのは言うまでもないし、通い始めた巴里の食卓の雰囲気も料理も、「良いじゃないですか」の結論を得ることができた。

 「よし、それでは撮影だ」
 
「えっ、あたし今日はクルマじゃないわよ」

 手芸部長、絶妙のオチである。

←な、なんだお前は?
            
 手芸部長の名誉のために。
 よくよく考えてみたら、ドライバー役をお願いはしたが、日時を告げていなかった(ばかものっ。それ以前に、車で来ていなくたって、単独で良ければ、運転はしてもらえたのではないか!?)
 そこで翌日、あのフォレスターズとの激戦の地へ再び赴く・・・のだが、天候が優れず、回復を待ちながら遅いランチをこれまたのんびりと食っているうちに、気がつけば体内時計よりも外が薄暗い夕方。でもって相変わらず、横着して三脚など持ち歩いていない。手持ち撮影なのである。
 慌てて言い訳程度の走行シーンを撮ってから、夜間撮影に切り替え。2台のワゴンRを並べる。わかる人が見ればばれてしまう場所だけれど、とりあえずゲリラ撮影なので、場所は言えない。言えないけれども、ここは夕方から夜にかけての撮影には、なかなか良いぞ。

 「きれいに浮かび上がりますねー。でもあたしのカメラ付き携帯ではもう暗くて撮れないわ」
 「明かりの方は狙い通りなんだけれど・・・なんだかピット星人か、とっとこハム太郎みたいだなあ」
 
 その後、この光の壁をエレキングの壁と呼ぶようになったかどうかは定かではないが、このCT型ワゴンRの所有者からは喜んでいただけたので、よしとしよう。