軒並み長蛇の列を連ねる夕食時の中華街。とある中華飯店に、はまたに夫妻の案内で、楽々と席についたところまで、やや話を端折る。
 ところが突発的な問題が生じた。

 「すみません。突然職場から呼び戻しがかかって、出発が大幅に遅れてしまいました。夕食の時間には間に合わないので、はまたにさんのおうちに直接伺います」

 電話の主こそが、この日会わなければならない相手。くろかんノマドのだいすけさんと、みきさんからであった。なぜこの日会うことになっていたか。彼らの写真を撮影するスケジュールと段取りについて打ち合わせが必要で、そのために、つくばーど基地まで訪ねてくる日と、横浜の晩餐がぶつかってしまったのだ。
 そこで、せっかくだからみんなで一緒に夕食を囲み、その席で打ち合わせとなっていたのだが、静岡から夕刻の東名自動車道を横浜へという過酷な条件に加えて、仕事で遅れてしまうとなると、だいすけさんたちも大変な思いでやって来ることになる。
 そうか、それは仕方ないよねえ・・・などとしゃべっていたら、うかつにも料理を食い尽くしてしまった。ああっ、2ページ目の写真が大幅に足りない。
 いよいよ仕方がないので、そういえば、だいすけさんとはしばらく会っていないなあと、記憶を遡ってみたところ、電話やメール、Sレイドなどオンラインの接触は続いていたが、直に会ったのは昨年春のBレイド3・伊豆まで遡っていた。
 ずいぶんと久しぶりだったのだ。伊豆のBレイドといえば、間違って僕が優勝してしまった(ことはどうでも良くて)ことの他に、だいすけさんが初めてみきさんを連れてきた日であった。
 それから1年が経っていた・・・

 「へー、そうだったのねー」
 
「そうだったのかーだなあ」
 「そうだったのですよー。あとは彼等が来るまで、伊豆のときの話でもしていましょう」

 
「それじゃあお茶を入れましょうねー」

 こうして横浜買い出し小隊の冒険は、何がなにやらうやむやのままに、うわさ話の夜会へと発展していくのであった。
 ・・・いいのかそれで、と言われても、これでめいっぱいの情報リークです。あとはご想像のままに。