10月のツーリングルートや集合場所は、はまたにさんたちが既に下見をしてくれており、細かなレクチャーを受けることができた。そのルートを実走しながら、買い出し小隊は、その呼称の由来となった「ヨコハマ買い出し紀行」(芦奈野ひとし著、全14巻)の舞台である、三浦半島の風景を見物して回った。
その物語は、おそらく現代よりもずっとか、或いはちょっとかの未来のお話なのだが、描かれている風景は1990年代半ばから10年程度の半島がベースとなっている。12年にわたる雑誌連載の中で、少なくとも50年くらいの時間が流れているのだけれど、現実の風景も負けずに様変わりしてしまい、その景色や建物を探そうとしても、既に無くなってしまったスポットが多い。いや、未来のお話だからこそ、今たずねていっても、そこには何も無いのだと解釈すべきか。
それでもまだ、いくつかのシーンに登場した風景を眺めることができる。そしてそれらは未来の世界を探しているというのに、明治以降半島全域を要塞化していった旧日本軍の遺構を見つけることと重なり、さらにそれらの過去を埋没させて、のどかな開拓農村と漁港の町という、現在の三浦半島を再確認するドライブになっていく。
ヨコハマ〜以前にも、新田次郎の「つぶやき岩の秘密」も、この地で少年ドラマシリーズのロケ撮影が行われていた。30年以上も前のことだ。伊豆や房総に比べたら、全く小振りの半島なのだが、ここには何か、沢山のものがぎっしりと詰め込まれているような気がする。
買い出し小隊は、これもまた5年ほど前のシリーズらしい、メーカーサイトでもラインから外されているデッドストックのぬいぐるみを発掘・買い出しに成功したようだ。今回の作戦は、様々な局面でそれぞれ満足のいく成果を得ることができた。真夏の陽気もこの日を境に秋へと駈け出していく。半島の丘は、ヒマワリからコスモスに彩りを変えていく。
−時間の流れはみんなに1個ずつあって、とまらない−
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