はまたにさん、じゅんきちさんと無難に合流する方法の提案を求める。
 「それはやっぱり、早めにお店の前に行って待っていることだよね」
 小さい頃と違って、多少のことにはあわてなくなったなあ。と、霰の提案に従い、再び中華街へ。はまたにさんご夫妻とは予定通りに落ち合うことができ、休日特製ランチをいただく。1人あたり1.5人前くらいのボリュームだが、育ち盛りの小隊は、そんなものには動じない。
 「さあ食べましたよ。いよいよ今日の目的地に向かいますよ」
 いやちょっと待て。いきなり移動はつらいのだ。少し近所を歩いて腹ごなしをするのだ。
 じゅんきちさんの案内で、雑貨屋を何軒か見て回り、みなとみらい線の駅ではまたにご夫妻と別れる。彼等はこれから、旅行に出かける。その準備の合間におつきあい下さったことに感謝しつつ、小隊はみなとみらい地区のランドマークタワーに移動する。
 「うへー! すごい物量!」
 小隊の目的は、少年週刊誌のオリジナルグッズを扱うショップ。今や田舎に住んでいても通信販売で楽に手に入る時代だが、それらのグッズが大量に並んでいるのを、直に見る方がずっと面白い。ただし通販と異なり、あれもこれも買ってしまうため、財布の中身は一瞬ですっとぶ危険も隣り合わせだ。
 
「お父さんがおもちゃ屋で葛藤する気持ちが判ったわ」
 (あー・・・そういうところへ話を振らんでよろしい)
 かくして買い付けが繰り広げられるのだが、その結果、散財に見合った品物がどれだけ手に入ったかは、定かでない。少なくともY150の“クモ”は、小隊とは無関係に動き回っていた。