7月、8月と東京・お台場地区に立った「設定寸ガンダム」は、時代の趨勢かなあと感じさせられたが、岡山には個人製作のZガンダムが既にあり、青森にもやはり個人製作のガンダムとシャア専用ザクが存在する。プロダクション企画ではないこれらのモビルスーツの生存には、本来著作権も絡むのだが、個人が作りあげたという事実とエネルギーは、それらをそこに所在させても良いじゃないかという、おおらかな気持ちにさせられる。
福島県の国道349号線を南下していたところ、視界にに飛びこんできた薄緑色の塊は、遠目には刈り入れ時期の稲刈り機か道路工事用の重機かと勘違いしてしまったが、その場を通り過ぎる瞬間、あの独特のアメフトヘッドとホースをくわえたようなタコ口、とげとげの左肩パーツが目に入った。
よもやこんなところで量産型ザクの模型に出くわそうとは思いもよらず、道端に車を停めて見入っていたところ、近所のおばちゃんが
「昨日来てたら、もっとたくさん、いろんなキャラクターが練り歩いたのよ」
と教えてくれた。どうやら近所の神社の大祭の一環で、地区ごとの青年達がオリジナルの山車として製作し、町なかを闊歩したらしい。この催事は400年もの歴史があるそうだ。いくつかの山車には引き取り手が出たが、このザクは残ってしまったので、路傍に展示することになったという。
発泡ウレタンや樹脂部品も使っているが、板材や段ボールで成型し、水性塗料で着色したというザクは、いたずらされなくても保って1年というところか。
2009年10月12日の設置。見物に行くなら早い方が良いだろう。349号線を横切る49号線よりも、けっこう北の方である。 |
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