《アクアマリンのガラスの中へ》

 福島県いわき市のふくしま海洋科学館『アクアマリンふくしま』に行ってきました。
 我が地元のアクアワールド大洗より二年ほど早くオープンしている水族館ですが、風よけと採光を兼ねる巨大なガラスのドームと、さらにその外側のガラスのカーテンウォールが特徴の面白い建物。半分くらい、このカーテンウォールを背景にして、らすかるの写真を撮ろうともくろんでいたのですが、行ってみたらこちら側に車両の進入は出来ないのであります。
 そういう不謹慎なことではいけませんです。
 
 アクアワールドでは、巨大水槽に異なる潮目に棲息する魚たちを泳がせているのに対して、アクアマリンはその水槽を二倍の大きさにして親潮、黒潮と分けています。その間をくぐり抜けていけるというゾーニングはなかなかユニーク。トドやアザラシ、ラッコといった哺乳類をはじめ、鳥類、両生類、無脊椎動物や魚たち約850種96000点の動物が飼育されています。珍しいのは、サンマ。意外にもこれほどよく知っている魚が、飼育状態で見られる水族館はほとんどないようです。
 
 希少動物保全のために、野生生物資源を消費せず、施設内で繁殖した固体を移動して個体群を維持するネットワークが存在し、アクアマリンふくしまもこれに参加しているそうです。
 このネットワークは、世界動物園水族館協会という団体で、44カ国で約200の施設と各地の協会等が加盟していますが、日本ではまだ加盟率が低いとか。
 世界中の動物園や水族館の年間利用者総数は6億人と言われ、その11%ほどが日本の総数とのことで、動物園や水族館には、野生動物や身近な自然の保全と再生、修復といった、体験的学習と活動の場という役目があると、アクアマリンふくしまは「環境水族館宣言」というメッセージによってアピールしています。


 アクアマリンふくしまは、いわき市の小名浜漁港の一角にあり、つくばーど基地からは約2時間前後の距離。福島沖の太平洋は、黒潮と親潮が出会う「潮目の海」。大洗と同じテーマを持ちつつも、ここは南の端とはいえ、東北地方です。少しずつ異なる生態系が見られるのは勉強になります。
 帰路は国道6号で越境して関東地方へ。北茨城市には岡倉天心記念美術館があったり、知る人ぞ知る「米米饅頭の石井製菓」があったり、十王町の鵜の岬など、海岸線に沿って散歩気分でドライブできます。