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今回のレイドで一押しのCPに盛り込んだのは、越生町の山の中にある一軒家。ギャラリー・カフェの「山猫軒」だ。そこに至道のりは今でこそ舗装化されているので、エスクードでなくとも楽々と出かけていけるが、道案内をしようとすると難しい。CP賭して理想的なのである。
それ以上に、慌ただしくルートを走り抜けるBレイドの足止めをしてくれる、ゆるやかな時間の流れが、ここにはある。その雰囲気に浸ってもらうことが、このCPの目的だ。
現在の山猫軒はお店としては2代目、その屋号を与えられた建物としては3代目にあたる。屋号と言っても、ご主人が自ら名乗っているものだが、宮沢賢治に憧れたことは佇まいや調度品、装飾でイメージしやすく、そこにまた惹かれてやって来るお客も絶えない。普段は金曜日の夕方にこっそり訪ねていき、閉店後に関八州の夜景を眺めに、さらに山奥に分け入っていくベースキャンプのようなお店だが、本来はギャラリーとして様々な分野のクリエイターが作品を展示している。
「注文の多い料理店」に出てくるレストランと同じ名前ながら、お店から注文されることは、静かなゆったりとした時間を楽しんでほしいという、その一点だけた。
レイドの出走者は、ここでのんびりと休憩し、残り2つのCPをクリアしながら、ゴール地点である東松山のキッチン・カフェ「クランボン」をめざす。実はこの2つのお店は、同じ大工さんが手がけており、クランボンの装飾に使われているステンドグラスの一部を、山猫軒で働いている、ある1人の作家がデザインし、制作したという不思議なつながりがある。
韋駄天組はかなりの余裕を持ってゴールし、昼寝の最中。エンジョイ組はタイムアップ2分前のゴールという、目一杯遊んでくる楽しみ方で、全員がクランボンに到着する。
優勝はTA01Wさんご夫妻。しかし総合2位のはまたにさんご夫妻には、着順1位を死守されての接戦だった。久しぶり参加のタカ・エミさんご夫妻とララ嬢は3着。午前中、CP1に苦戦したsugiさん親子もねばり強く完走。マイペースと言いながらも全CPを着実に回ってくるあおいろさんご家族も完走。ブービー賞は初参加ラックのギガントさんご夫妻が獲得した。
「エントリー出走していた方が楽なんだなあ」とは、今回オフィシャルを手伝ってくれた青影さんの感想。それでも現地サポートをしてもらえることは開催者にとって大助かりなこと。当日参加はなかったが、CP9の調査やクランボンミーティングルームの手配をしてくれた、たけぞさん・はなさんご夫妻の尽力といった縁の下の支えもあって、12回目のBレイドは盛況のうちにお開きとなった。
埼玉では、あと2回はやってみたい。
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