まめゴマぷくぷく紀行 002
そんなわけで第二回
さくら 桜 さくらゴマとそらゴマ

構成 嵐田あられ
 そらゴマと、さくらゴマは、お花見ルックでごきげんです。
 そらゴマは桜ふぶきを背中にまとっていますが、遠山の金さんになったつもりではありません。
 さくらゴマは桜の葉っぱにくるまっていますが、花より団子というわけではありません。
 どちらも、お花見に行くためのおしゃれをしているだけなのです。
 どうもこの前、金砂郷の神様たちと遊んでいて、そのような「イキでしょ?」というセンスを身につけて帰ってきたみたいです。

 水槽から抜け出したら、すぐに高いところへ登ろうとするくせもついてしまいました。遠くがよく見わたせることを知ったからです。
 それに、ちいさなまめゴマたちには、地面から見上げる桜の花が、もの足りなかったからです。
 でも、まめゴマが木に登っていると、別の生き物ではないかとかんちがいされます。釣りに来ていたおじさんが、
 「ツチノコだあーっ」
 と大騒ぎしたので、逃げ出さなくてはなりませんでした。

 そらゴマとさくらゴマは、木登りをやめて、芝桜の広場でごろごろしながら、お花見を楽しむことにしました。
 ここなら生け垣に隠れてのんびりできるし、襲ってくるものが現れたら、近くの切り株のウロに逃げ込むことができるのです。

 「ぷぷー!」
 「ぷーっ?」

 木の上にお弁当箱を置きっぱなしにしてしまったそうです。

 

 「なるほどツチノコと言えばそう見えるかも?」

 
「失礼ですよねーっ。手乗りアザラシを知らないなんてー」