浮揚植物の観察
アサザをひっくりかえして気孔を見る

構成 嵐田あられ
 夏休みの自由課題で、陸の植物と水辺の植物との違いを調べてみようと思い、霞ヶ浦に出かけました。アサザが群生しているというエリアに行ってみたのですが、今は蓮の畑のようになっていて、アサザが見つかりません。
 そこで、霞ヶ浦環境科学センターに移動して資料を探しました。
 環境センターのセンター長さんに聞いたら、
 「船だまりのようなところに生えているんですよ。だけどたぶん、船だまりには柵やロープが張ってあって入れないし、危険だから、ここへ来たのは正解ですよ」
 と教えてもらうことが出来ました。
 水辺の植物のアサザやカガブタは、浮揚植物といって、水面に広がっています。植物は呼吸のために、葉の裏がわに気孔を持っているはずで、その気孔が一日中水に触れていても平気なのだろうかと、不思議に感じたからです。
 「展示室には顕微鏡は無いんだけれど、CCDでズーム撮影した映像をモニターで見ることが出来ますよ」 
 センター長さんが、水辺の生態系を再現している池を案内してくれて、何種類かの浮揚植物をサンプルに採取して分けてくれました。浮揚植物と較べるために、陸の植物も採取してモニターに映したところ、浮揚植物にも気孔のような小さな穴があることがわかりました。でも、陸の植物と違って、気孔の数はとても少ないようです。気孔は葉の裏だけかと思っていましたが、表側にもそれらしいものが少しはあるようです。
 湿らせたガーゼでサンプルを包み、学校の理科室で顕微鏡を借りて観察しました。環境センターで見た映像よりも鮮明に、葉脈や気孔の様子を知ることが出来ました。

 「それで、浮揚植物はどうして気孔が少なくて済むの?」

 
「えー・・・それはまた次回の観察で調べますー」