グレード名 XC。First Impression
 2006年6月12日、エスクードの3代目モデルが2型にマイナーチェンジし、追加モデルとして3ドア・1600cc、XCがデビューしました。「CBA−TA74W」の型式、マニュアルトランスミッションのみで、4Hや4Lの直結モードをオミットしたフルタイム4WDの1グレードモデルです。
 6月18日時点ではまだ一般ユーザー向けの試乗車が見あたらないのですが、TA01Wさんがいち早く展示車を見学して、第一印象をレポートしてくれました。
 2007年春、残念ながら、わずか1年足らずでカタログ落ちとなったXCですが、ここに登場時の記録として残しておきます。


実は室内最大幅が、EX、XGやXSよりも
10mm広くなった。ドア内張の形状変更から?


 全長3950mm(スペアタイヤ含まず?)TD01W、1600ノマドよりも全長は短くなっています。全高、全幅はXS、XG、XEと共通。重量は1420kg。サイドドアビームなど安全対策のための補強によるものだとか。ドア自体も3ドア化によって大型化しています。
 エンジンはM16Aのハイオク仕様(106ps/5900rpm、14.8kg/4100rpm)。燃料タンクは55リットルに削られました(2000cc、2700ccは66リットル)。 タイヤは225/70R16。XEグレードに準拠しています。10・15モード燃費のリッター13kmは、実質では“8がけ”くらいの燃費になるものと思われます。M16AにはVVT機構が搭載されており、バルブタイミングの連続最適化調節が行われ、吸排気カムのハイリフト設定もトルクの安定化や燃費、排ガス対策に貢献しているとのことです。
 価格はメーカー希望で1764000円(税込み、諸経費別)。2000ccに対して、ヘッドランプのディスチャージ式を省いていたり、室内装備を簡略化するなどの差別化も見られますが、補助灯の標準装備なども考慮されています。
 【エクステリア】
 まず第一印象ですが、個人的には5ドアの間延び感がなく、すっきりとした印象。また、Bピラーの幌車をイメージさせる処理がとてもグッド!
 その他は、特に大きな変更はなく、前後のライトの内部構造が違う程度です。全体的には、ヨーロッパ車的イメージが強い外観と感じられます。
 【インテリア】
 基本的変更は見当たらない。違いと言えば後席が4人乗りになった事により、側面にドリンクホルダーなどを設置している程度。
 【装備・ユーティリティー】
 @悪名高き?シートリフターレス
 AHID未装備のため光軸ダイヤルの設置
 Bセンターアームレストの簡素化
  (高さ変更-低い  設置、前後スライド機構なし)
 Cキーレススタートシステムの未設定
 D5:5分割のダブルフォールディング式リアシート
  (座面固定解除機構 紐→レバーに変更)
 Eリアハッチの音鳴り対策(戸締り音の大幅軽減)
 【走行性能】
 展示車のためイメージ
 1600cc、1420kg、5MTという仕様により、動力性能には大きな期待は得られない。2000cc、5MT、ローレンジあり仕様が設定されることを期待します。また、自車(TD54W)と比較するため、試乗車が設置されることを早急に望む。
 【まとめ】
 外観がすっきりしていて好印象が持てる。
 3ドアという事でドアが重くなり、重厚感が大幅に増している。
 後席からの視界性もそれほど悪くはない意印象が見受けられる。
 前席を自分(173cm)のドライビングポジション+αで設定して後席乗車時には、拳1つ分の余裕はある。
 後席が絶対的に狭くなった感じはない、必要十分といったところ。しかし、1600cc、1420kg、5MTの基本スペックと4Hlock&4Lレスという仕様を考えると、全幅が変更されていない事から、スポーティー走行向きといった印象も薄く、どっち付かずな感じとなる。
 せめて2000ccならば、ショートホイルベースを利用したスポーティー走行が可能と考えられる。
 カタログ落ちすることなく、更なる進化に期待したいところ。現仕様のまま販売するならば、今では絶滅している”幌車”が最もあっている気がする。


        インプレッション:TA01Wさん