TD94W V6−2700 XS
akiさんのレポート
 
 モデル:2.7XS 5AT
 型式:CBA-TD94W-YNST
 年式:H17年7月末登録
 フレームナンバー100番台の超初期ロット
 E/G:H27A
 色:アズールグレーメタリック(ZY4)


3台目のエスクード。足かけ14年近くエスクードばかりよく乗ったものです。
登録後5ヶ月、現在走行7000q余り。
その間、街乗り中心にロングランから林道、雪上まで色々な所を走りました。
その中で気付いた点を書き綴ってみます。
(主に初代との比較が主観として入ります。ご了承を。)

 《デザイン・パッケージング》

 先祖返りしたと言われる3代目のデザイン。確かに、部分部分を見るとそういう所もあります。
 ボクは初代・2代目の良いところを取り入れ、21世紀のエスクードのデザインを作り上げたと思っています。
 見た目にクラウチングフォルムが強調されなかなか良いデザインです。前後のオーバーハングが切り詰められ、CCVらしいフォルム。しかしリアのナンバープレートをあんな所に付けるか疑問です。また、歴代の特徴であったちょっと横にはみ出たテールランプとその配置(上からウィンカー、バック、テール/ストップ)は引き継いで欲しかったな。

 色々言われる全幅1810mm。試乗の時から気にはなりましたが、車両感覚を掴んでしまえば気にならなくなります。ただ、ドアミラーの大きさには閉口します。鏡面が大きくて後方確認はとてもしやすいですが、立木(植木)の枝には必ず擦り、倒したことも幾度か。まぁ、ボタン1つで戻るから良いことは良いのですが。
 また、太めのAピラーとドアミラーとで左右前方の死角が意外と大きくなります。何度かヒヤリとする場面に遭遇しました。
 死角と言えば後方視界が悪いです。衝突基準クリアのためとはいえ太くなった各ピラーが視界を遮ります。おかげで後部の車両感覚が未だにつかめません。前車TD11Wで基準にしていたスペアタイヤもわずかに見える程度です。やはりバックカメラは必須アイテムになるのでしょうか。

 賛否両論あるフロントグリルの大きなSマーク。
 これだけ外せれば良かったのですが、それも不可能であるため、発表直後のスズキスポーツのスポーツグリルに交換しました。これによりワイド感が更に強調されましたが、ある意味無国籍な車になってしまいました。交換時に気がつきましたが、純正グリルはバラす事ができます。こっちを加工した方が安上がりだったかもしれません。

 全幅が広がった分車内も広くなりました。が、その広さを上手に使っていない気はします。2代目は分かりませんが、初代と比べると格段に質感は上がっています。各ポケットのリッドにはダンパーが付き安っぽさはなくなりました。しかし、細かいところを見ると「スズキだなぁ」と。
 こんなに広いのに何故フラットシートにならないの?と言う疑問は当然のように出てきます。SUVとして育てたいのならリアシートスライド&フラットシートにすべきでしょう。
 トヨタ車のように「チリあわせをもっと詰めて」とは言いません。 Aピラーからダッシュボード、ドアへとつながる所はもっと上手くデザインできなかったんでしょうか。ツィーターを真横に向けても意味はないと思うのですが。また、伝統(?)である運転席周りの小物入れの少なさ。ダッシュボード右側にポケットがあれば重宝するのですが(付くスペースはあります)。
 シートに関しては個人差があると思いますが、ボクの評価は厳しいようですがダメシートです。ポジションにもよると思いますが、ボクの場合小1時間でおしりが痛くなります。原因は、クッション自体はそこそこ厚めですが、表面が柔らかすぎて踏ん張らず、クッションを潰してしまう為だと思います。

 
個人所有した車の中で初めてのエアバッグ装着車です。ステアリングにも当然内蔵されています。しかし、革巻きですが新しい為かよく滑ります。それよりホーンがいざと言うときに鳴らせないことには閉口しました。よって、長年使ってきたモモステに交換しました。これは、スポーツペダルと共に偶然にもsugiさんと一緒でした。
 ラゲッジは並の広さでしょう。深さがありますがこの善し悪しは使い方によると思います。ボクはもうちょっと奥行きが欲しいです。情けないのはトノカバー。申し訳程度でしかありません。単体剛性・取付精度共に低く、異音の発生源になっています。左右のガタはクッションを貼り付け対策しましたが、剛性の低さによるバタバタは手の打ちようがありません。外されている方が多いようですが、セキュリティの面から一応付けています。その付けた姿も情けないです。リアシートとの隙間が広すぎます。この辺は同じGMグループ
だったスバル車を見習って欲しかったです。
 どうせ何も載せられないのだから、巻き取り式にしたら良かったのに。ライバル車のこの辺りの使い勝手は上を行っています。今後のスズキの奮起に期待したいです。



 《メカニズム》

 ・モノコックボディ
 3代目でラダーフレームを捨てモノコック化されたボディ。しかしそれはフルモノコックではなく、フレームが入ったビルトインモノコック。そのため車重が1.5トンを超えてしまったのは残念です。フルモノコックなら下回っていたはずです。やはりいきなり冒険は出来なかったんでしょうね。
 モノコック化につきもののロードノイズの問題は、良く押さえ込まれていると思います。グランドエスクードに試乗したときの驚きほどではないですが、予想に以上に静かです。仕事上、音には非常に敏感な耳なので、これが一番の心配材料でした。

 ・エンジン
 H型の最終形とも言える3代目のH27A。135kW(185ps)/250N・m(25.5kg・m)。2.7Lですのでトルクはあります。自動車雑誌などではパワー・トルクが不足なんて書かれますが、このボディにはこれが最低限の線でしょう。2000rpmも回っていれば、実用性は充分です。ちょっとパンチが欲しいときは適宜ギアを選択し、3000rpmをキープしてやれば、力強く走ってくれます。
 まぁ、前車(TD11W)と比べると格段にトルクフルなんですけどね。色々な改良を加えられ、完成度が増したと思います。ようやくクーリングファンが電動になり、ファンカップリングが無くなりました。前車でこのカップリングが壊れ、オーバーヒートしそうになった者にとっては朗報です。
 今までの燃費は平均して7.5km/L。車重が車重だけにこんなもんなのでしょうか。個人的には7km/Lを切ると覚悟していたので上出来なんですが。重い物を動かすため、動き出しはアクセルを深く踏まざるを得ませんが、スピードに乗ってしまえばアクセルをさほど踏まなくても良くなります。燃費向上はアクセルワークが肝になるのでしょう。

 ・ミッション
 XSは5ATのみの設定です。ゲート式で操作性は良好です。各ポジション間の操作力は左右が軽く、前後に重いです。
 改善が必要ですね。一番の弱点は2速ホールドが選べないこと。一般走行ではあまり必要ないですが、林道走行や雪道の下りでは欲しくなります。パワーモードでLレンジにシフトしたら、2速ホールドになってくれたらいいのに。

 ・サスペンション
 XGに試乗したときから頭の中には「?」がつきまといました。
 コイルとダンパーのマッチングが良くないのか、街乗りではとにかくドタバタと跳ねます。XSはXG程ではないですが、その傾向はあります。感覚として、コイルのレートに対しダンパーのリバウンド側減衰力が足らない感じです。街乗り重視なら、2LのコイルにXSのダンパーが意外と合うのかも知れませんね。
 このドタバタした足回りも高速走行となるとシャキッとします。こういう性格をみるとメーカーはロングツアラーと見ているのでしょうか。特にXSは。最近このような味付けの車が多いですが、一種のトレンドかもしれませんね。

 ・ESP
 DaimlerChrysler開発の走行安定補助システム。この手のデバイス搭載車はもちろん初めてです。正直ABS以外、作動しているのかよく分かりません。ただ凍結路で、ローテク車の感覚に慣れた身にとっては、不自然な挙動をするケースがありました。
 直進状態で片方(左)が滑る(空転)→右の駆動力を抑える→左のグリップ回復(右旋回が始まる)→右の駆動力が戻る、というような一連の動作が一瞬の間に起きて、通常(ローテク車なら)左へ動こうとするところを逆へ動こうとします。
 これがハイドロプレーニングを起こしたときは、凍結路と速度域が違いますので、一瞬タイヤ1本ぐらい横移動します。これを初めて体験したときは驚きというか、怖かったです。先日、このESPの動作を確認しようとちょっとしたテストをしました。もちろん周囲の安全は確認の上です。
 路面は数cmの積雪が若干凍った状態。トランスファーは4H−Lock。ステアリングを目一杯切り、アクセル開度は一定にし定速度で旋回します。どこかの車輪が空転し横滑りを始めると、補正が入り円軌道に戻ろうとします。が、継続的に補正が入る訳ではなく、補正が無くなると若干姿勢を乱しがち。しかしコントロールは可能です。
同じ条件でESPをオフにすると、たやすくリアがスライドしスピン状態になります。
 ESPの効果は十分分かりますが、それが働いたときの挙動を予測しないと、思わぬ事故になるかもしれません。
 この手のデバイスも乗り手のスキルが必要になるのでしょう。


 《トラブル》
 各サイトで報告があるように、リアシートバッグのガタ&運転席シートのガタは当然のように装備(笑)されています。ディーラーに苦情を申してから数ヶ月たちますが、何の解決も見ていません。メーカーで対策をしているらしいのですが、この辺りも「スズキクオリティ」なのでしょうか。
 3ヶ月半で空調のファンモーターが壊れました。
 ちょっと興味本位で物を見てみたらマレーシア製でした。コストの制約とはいえ、ちょっとケチり過ぎじゃないのかなぁ。ボクのエスクードは対象外でしたが、リアのデフケースが割れるというリコールが発表されました。ちょっと恐ろしい話ですが、最近リコールを連発しているスズキさん、大丈夫でしょうか。

 《カスタマイズ》
 前出のグリル・モモステ以外に、現在電装系に手を入れ始めています。それは各照明のLED化。狙いは燃費対策。LEDは一般的な電球(フィラメント)に比べ消費電力が少ないため、バルブ類をLED化するとオルタネーターの負荷が少なくなり、結果としてガソリン使用量が減る(燃費向上)、という理屈からです。
 こう書くと立派に見えますが、自己満足の世界に過ぎません。
 効果の程は?未だ現れておりません(笑)


 《最後に》
 欠点ばかり書き連ねてしまいましたが、あばたもえくぼ。気に入った車ならではです。
 完璧な車より、そういう欠点があった方が楽しいし、弄りがいがあるってもんでしょ。
 トータルとしては良くできた車だと思います。
 V6−2.7L、クラス唯一のローレンジを持つFRベース4WD、セキュリティーをはじめ、必要な装備は満載、それらが付いてこの値段。コストパフォーマンスは高いと思います。
 悔やまれるのは、先日発表された限定車「フィールドトレック」に装備されたサンルーフ。標準車で選択できれば当然オーダーしていました。今後、標準車でも選択できることを切に願います。
 長文・駄文失礼しました。
 このレポートが、エスクード購入予備軍の方々の参考になればと思います。