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 エスクードがいよいよハイブリッドの時代に参入した。欧州仕様とは異なる極めて高電圧のモーターと、直列4気筒1500ccとの組み合わせを搭載する。

 モデルサイクルを考えると、1600ccから始まった四代目も7年を数え、内燃機関オンリーの自動車が淘汰されると云われる2035年に対してあとわずかのところへ来ている。
 そろそろ五代目へのスイッチかと思われた矢先、2021年9月でマイナーチェンジを果たしていた1400直噴ターボがカタログ落ちし、「遂にブランド廃止?」と少なからず衝撃が走った。
 しかしその直後、欧州仕様のビターラはハイブリッドとしてモデル更新となり、この流れでエスクードが無くなるロードマップはないだろうとの期待も寄せられていた。
 一世代のモデルでエンジンがドラスティックに変化した事例は過去にもあるが、今回のマイナーチェンジは少し意味合いが異なる。来るべき電動化への布石という命題を与えられ、スズキの小型車として21世紀を生き残るメカニズムへの取り組みが、新たに搭載されたエンジンとモーターの存在なのだ。
 漏れ聞こえる声によれば、このモーターの発電力は欧州向けに開発されたそれとは別のアプローチがなされているという。電力をより効率的に活用するため、極めて高電圧の発電が行われる。

 前置きが長くなったので、新型自体に目先を変える。
 K15Cガソリンエンジン最高出力(kW/rpm)24.6〈33.4PS〉/5,500、最大トルク(N・m/rpm)132〈13.5kg・m〉/4,400と交流同期電動機最高出力(kW/rpm)24.6〈33.4PS〉/5,500、最大トルク(N・m/rpm60〈6.1kg・m〉/100-2,000のスペックは、国土交通省審査の燃料消費率で市街地17.4km/ℓ、郊外および高速道路20.3km/ℓで、19.6km/ℓという優れた燃費を数値化した。
 このパワートレーンと、6速AGS(オートギヤシフト)、ALLlGRIPの使い勝手や使い出については試乗機会を待たねばならない。低中速度域でモーターアシスト、高速域でエンジン主体の特性だ。
 エクステリアには大場花変更はなく、ヘッドライトユニットの構成を変化させた程度。四代目の活躍はまだしばらく続く。