1000キロ走らせた。

つくばーど試走記

 つくばーど基地を起点にひたちなか、筑波山、霞ヶ浦を巡り、いきなり仙台経由で新潟まで移動し、関越・北関東道ルートを走ってみた。

  ALLGRIPシステムと軽量化された車体。加えてクルーズコントロールとレーダーブレーキアシストが、4代目エスクードの主だった特徴。その組み合わせによって快適なドライブと安全度の高い走行が提供される。
 パワーステアリングも電動化され、いやというほど軽くなったり重くなったりのメリハリが効いている。
 こうした部分は、実はドライバーにとっての快適性であり、仮に4名乗車の後席に環境を特定した場合どうなのか。そこは誰も語ってくれなかった。
 結論から言えば、後席は足回りと共にタイヤの真上にあり、ダートでの突き上げからは逃れられず、高速道路での騒音も前席ほどには防げていない。なによりシート座面が軟らかく、子供ならともかく大人の長時間着座は腰に負担がかかる。そして2名乗車(前席)では気にならなかったリアサスへの4名乗車荷重で、ショックが突き上げられるごつごつ感が顕著となる。
 硬めのセッティングが好まれるというが、しなやかさは足りない。
 歴代、さんざん後方視界が悪いと言われてきたが、後ろが見えないという点では最高峰に位置する。これもグラスエリアを小さくし軽量化したリアハッチの代償か。
 後席の窓は全開しなくなった。子供が誤って手を出したり故意に体を乗り出したりしにくくなったという点では、何らかの配慮を感じる。

 エスクードも本格オフロード性能を棄てた。と、誰となく語る。最低地上高とフロントのオーバーハングを見ればそう思わざるを得ない。
 ではその2点に留意したうえでどこまで行けるのか。は、まだあまり試されていない。
 そもそもこの車で深いモーグルや岩場に挑もうとすることを本格オフロード性能試験だと突きつけることが愚かだ。どのみち大したことはできない。と、持ち込んだ林道はFFベースが有利に走れるステージを選ぶ。
 それでもそこそこの傾斜角を持つ土と藪の登坂、漬物石大の石が突き出た粘土質の段差のある下りだ。
 ALLGRIPのlockモードは、けっこうデリケートにトラクションをかけていき、100m程度の登坂は楽にこなした。粘土質の滑りやすい下りセクションではヒルディセントコントロールが働くものの、オンロード用タイヤでは泥が詰まって横方向にずり落ちる。
 押さねばダメかと感じたが、実はそこに向かう途中の擦れ違い時に路肩に寄せて待機しエンジンを切っていた。再始動の際、ALLGRIPはautoモードに解除されてしまう。再びlockさせると、ずり落ちたところからそのまま押し出してくる。
 なかなか粘る。
 ただしこれが砂浜になると勝手が違う。アプローチアングルが小さく、砂に刺さりやすいし、砂地ではすぐトラクションを失ってしまう。ガレ場とクレバスの深い林道やふかふかの砂浜には入らない方が無難だ。

 茨城県内でのテストステージは4名乗車でひたちなか、筑波山、霞ヶ浦を移動し、2名で林道に入った。オートエアコンは始終作動。200キロほどを走行してリッター13.4キロ程度。その後仙台、新潟と高速区間で500キロを走り、リッター15.7キロとなった。新潟・茨城区間は未計測。
 これらはautoモードでクルーズコントロールを併用した。FFベースフルタイム四駆の強みか。M16Aはよく回る。が、クルーズコントロールの自動加速はがさつである。ミリ波レーダーのブレーキアシストは、トンネル内で乱反射した場合、不意に解除され前走者がいても加速するケースが稀にある。