TD01W のまどん 
 唐突だが、じゃんぼうさんは、でかい。190cm近くあるだろうか? そのひょろりと長い手足で乗り込むTD01W、のまどんの運転席は、きっと窮屈だったのではないか? もっとも、でかいのは足の長さに起因しているから、シートに座った時点では、ヘッドクリアランスの大きなのまどんの室内は、上半身にはやさしかったのかもしれない。
 「腰痛持ちなので、そうでもないんですが、クルマはコンパクトだからちょこちょこと何処へでも入っていけるのがいいですね」
 でかいのは体躯だけではなく、ふところの大きさも比例している。初対面の気がしない気さくで優しい面持ちと、ツーリングシーンに溶け込んでいく、写真を撮りやすい間合いのとりかた。トラブル車両への素早いフォローと、たった一度のツーリングが、とても印象に残る。
 人に優しいということは、機械にも優しい。だからなのだろう。のまどんの走っている姿は楽しそうに見える。
 よく手入れされた個体は、よく応えてくれたようだ。しかし、じゃんぼうさんの腰への負担は軽くはなく、のまどんはじゃんぼうさんの知人へ委ねられることになった。
 「2年ほど乗って、気に入っていたエスクードだけに、後ろ髪は引かれます。でも知人のところに行けば、いつでも会うことができる。そういう関係っていうのも、恵まれているし、楽しいですよ」
 のまどんは、次のオーナーの元で、今も元気に活躍しているらしい。
 現役でいられること、のまどんがしあわせな1台であることは間違いない。