TA01W  マイ・エスク

 「マイエスクを駆る!」
 こんな書き出しで始まるブログを読むたびに、その韋駄天ぶりを感じさせる。
 秩父か奥多摩あたりの林道やワインディングを駆け抜けていたかと思うと、いつのまにかニセコのゲレンデで板を降ろして滑走しているし、何泊してくるのかなと想像しているうちに、今度は群馬のスキー場で雪煙を上げている。。
 「雪道と凍結路は腕の見せどころだ!」
 もう隅から隅までやんちゃぶりがあふれかえっていて、このエスクードも性能をフルに引き出されているなあと、年式相応の心配をしたりしていた。

 ところが、NONNONさんと出逢ってみると、終始爽快な笑顔を絶やさないところはイメージ通りながら、活字なんか当てにならないじゃないかというほどの、シャイな好青年。
 駆り立てるどころか、いたわり、慈しむようにエスクードのエンジンを停止して、ここでまた照れたような仕草でドアを閉める。
 「自分が楽しいとき、クルマも好調なんです。そんなコンビを組めるクルマが、これしかない」
 だから、このGリミテッドを手放すときには、長い時間葛藤の中にいたという。たとえ次の相棒が、シビアな条件をクリアしている好条件だとしても、半身にも等しかった僚友との別れには、感情を押し殺すことは出来ない。
 たぶん彼は、誰にも知られないところで、ちょっとだけ涙をこぼしたのだろう。それを詮索するのは野暮というものなので、今でも書きつづられる新しい盟友とのブログで、元気な姿を楽しませてもらっている。
 彼は、こう書き出す。
 「新・マイ・エスクを駆る!」