"働くエスクード達"-全てのヨンクはVANから始まった-




 首都圏のある公的機関が、業務に使用しているエスクード/ハードトップバン。1988年式が、今なお現役
で運用されている。
 現役で、といっても、2003年時点で言えば、エスクードの歴史はまだ15年でしかない。が、貨物車扱い
のTA01Vはエスクード初期のマイナーチェンジでカタログ落ちしたため、15年の歩みの中でも短命なのだ
 だから、15年間使い続けられているということも含めて、稀少かつ貴重な存在と言える。
 別の視点で見ると、たかが15年でも、されど15年の経年変化をもたらす。
 左リアのパネルにわずかなへこみと錆が浮いている以外は、部品の破損欠損もなく、状態は非常によい。

 公的機関が所有しているという環境が、このバンには幸いしており、一般ユーザー以上に法定点検を厳しく義
務づけられている。この事務所は、都市開発を担当するセクションで、エスクードは道路建設や宅地造成の現場
へ、担当職員の足となって活躍している。
 年2回の点検によって整備が行われており、エンジン、駆動系共に、本体の不具合は全くないという。
 現場から戻ってきたエスクードのラジアルタイヤは、そのエリアが都市整備の途上であることを物語るように
土がこびりついている。ブリジストン製のデザートデューラー682。これはエスクードの初期型そのままの銘
柄。

 なにひとつ飾り立てのない内装と外観の中で、唯一オプションとして採用されているのも、スズキ純正部品と
してラインナップされていた大型ルーフラックだけ(サイドパネル後部に所属機関名がマーキングされているが
当コラム掲載の都合上削除加工した)というシンプルさが、逆にエスクードというモデルの本来のカタチを端的
に表現している。
 都市開発地区という限られたエリアでの運用を続けていることから、走行距離は15年かけてもわずか550
00km程度だ。15年間、都市を建設し、インフラを整備するために、まさに働くエスクードとして使い続け
られている、数少ない1台なのである。




 ところで、働くエスクード(5ナンバー含む)は
地方公共団体の防災パトロール用や、消防・警察車
両、営林署の山林管理用、JRAや民間企業の営業
車両など、街や野山で注意してみていると、公用車
仕様が意外と沢山存在する。          
 港湾整備の工事現場で出会ったノマドは、施工会
社がリース契約しているノーマルのエスクードだが
風雨が強く荒天日の多い現場環境から、コンパクト
でローレンジのある4輪駆動車を。と、あえてエス
クードを取り寄せたとのエピソードを聞いた。  
 このコンパクトさ、ローレンジを使える4駆とい
うニーズは、価格の安さも相まって、働くエスクー
ドの共通項であろう。             



●Cyber−K様からの投稿を頂きましたのでご紹介致します。

 街角で見かけた「働くエスクード」。現行モデルのTL52Wだった。
 このエスクードは、電力関係の仕事で使われている5ドアモデル。
 私の住む地域には水力発電所があり、主に山間部のダムなどの保守を行う職員の足として活躍している。
 車内には無線機が搭載され、ルーフ上のスピーカーは、ダム放流時に、釣り人など下流の河川にいる人たち
に注意を促すのに使用される。
 山間地帯を走行するため、ときには狭い未舗装地も通らなければならない。
 必然とコンパクトな4WD、エスクードが選ばれたわけである。
− 写真と文 Cyber-K氏 −


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