1992年式エスクードのユーザーは、2012年に登録20年目を過ごし、ことし愛車が成人式の年回りとなった。新車登録からずっと、1台のエスクードに乗り続けることは、最長不倒距離を刻むユーザーと同様にマラソンクラスの猛者と言える。
TA01Rに乗るはまたにさん、TD01Wを走らせる風花さん、そして一風変わり種でTD02V(サイドキックロング)の和邇さんは、それぞれこの年式のエスクードを長く乗り続けているヘビーユーザーだ。 |
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「Save The Best For Last 」を聴きながら |
92年当時と言えば、「日本経済は昨年1〜3月期をピークにリセッション入りした」と経済企画庁が発表し、バブル景気の終結が宣言された年回りだ。しかし世相の様子は、まだ景気の持ち直しに対してなんとなく期待をはらんでいた時期でもあり、スズキ、ダイハツ以外の各社から様々な新型車が発表されていた。
実はスズキエスクードは、2型から3型へのマイナーチェンジこそ行ったものの、大幅な変更はなされていない。90年秋に追加されたノマドの登場と、それに合わせたエンジンの16バルブ化以降、コンパクトで軽量な車体とそのデザインが受け入れられ、徐々に人気が右上がり傾向を見せていた。
四輪駆動車というカテゴリーの中ではまだ異端の域であったが、消費者層は「小型車枠で扱いやすい四駆」であることを評価していた。後に台頭するSUVとしてではなく、極地走破性能が劣ろうとも、エスクードを「四駆」として認めていたのである。
だからこの時期、エスクードにはテコ入れの必要がまだ無かった。他社の小型RV新型車に追随されてはいたが、打開策となるV6の2000ccが産み落とされるのは、さらに2年後となる。
「他人の乗っていない四駆。と考えると、コンバーチブルが選択肢に残った。当時、新車で買えるオープン4WDは珍しく、パジェロJトップ、ロッキー、エスクードくらい。幌を外して走っていると他の車からじろじろ見られたのを心地よく感じた」(はまたにさん)。
「冬はほぼ毎週スキーに行くし、普段も山に泉を汲みに出かけるし。で、初心者マークの頃から乗っていたホンダcityの乗り換えは四駆にしようと考えました。というよりあなた(筆者のこと)がノマドを勧めたんでしょ。そのまま嫁入り道具のひとつになりましたが、旦那が気に入ってくれて、今なお現役です」(風花さん)
「長年ジムニーに乗っていたから、小型車でロングのジムニーを待っていた。ところが出てきたのがエスクード。これは腹立たしい。だから絶対にエスクードには乗らないぞ。と、サイドキックというわけで、実は私、SIDEKICKをあと1台、コンバーチブルのビターラも所有してます」(和邇さん)
それぞれ二十代半ばから後半での、エスクードとの出会い。この頃既にオーディオにはCDプレイヤーが組み込まれ始めたかもしれないが、あるいはカセットデッキやラジオから流れてくるのはVanessa
Williamsあたりだったのだろうか。
20年の月日にはいろいろある。はまたにさんはエンジンを二度載せ替え、風花さんは腐食した床板をそっくり張り直した。和邇さんも電装系の故障に悩まされた。
なぜそこまで・・・と聞くのはもはや愚問だ。
彼らはそろって「次の車検も通す」と快活に答えるのだ。
街ですれ違うエスクードには、意外な個性の持ち主が乗っているということか。
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The user of 1992 model escudos passed the 20th year in 2012.
Their escudo became a coming-of-age ceremony this year.
Mr. hamatani who owns TA01R.
Mrs. fuuka who runs TD01W.
Mr. Wani who manages two sets of TD02V(suzuki SIDEKICK).
They are the heavy users who are continuing riding on the same escudo all the time from a new car.
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