本格的な4WD性能は、何もガレ場や岩場や廃道だけでのみ価値を問うものではない。凍結と圧雪の道を進み、除雪の行われていないルートをどこまで入り込めるかも、エスクードユーザーにとっては関心事なのである。
 2013年の幕開け、西日本の山間部もおあつらえ向きの積雪となった。彼らは子供のように山野に乗り出していく。

でも、最後の最後は体力勝負かも
 
 氷ノ山は、兵庫県の最高峰で、300万年前に活動していた海底火山が成り立ちと言われるが、現代にあっては中国地方においても大山に次ぐ高峰であり、厳冬期は深い雪に閉ざされる。
 それだけに山腹のスキー場への往来は増え、まずその渋滞を克服しなくてはならないのだが、
 「今年はまだ積雪は少ない方」
 との四駆仲間からの情報を元に、彼らはスキー客をよそに山中へ分けいっていく。
 パウダースノーには先着したスノーアタックの轍が刻まれている。程よい圧雪路を、轍をトレースして進む三代目エスクードは、センターデフの効果で安定したトラクションを保持できる。しかしそこは直結四駆の初代であっても、ノーズがラッセルを始めなければ大差はない。むしろ、そうなりかけても初代の方が逃れやすい。
 それぞれが4輪にチェーンを巻きつけ、トラクションを確保しながら進む。やがてラッセル状態に陥り、今度は引き際を見極めるタイミングで、これを見誤るとスタック。牽引ロープの出番となる。
 「お互いに引っ張ったり引っ張られたり。やっぱり仲間には感謝ですね」
 それでも時には、単独で埋もれた車体を掘り出しにかからねばならなくなる。
 最後の最後は運転技術とは別の意味の「腕」と、足腰が頼りになるのだ。
 
 

Full-scale 4WD performance is used also except the Gallait place, rocks, or a muddy road.
It is an escudo user's pleasure to run the route from which the snow is not removed by following the frozen road and a hardened snow road.

   

《 Back 》