北海道紋別郡遠軽町生田原に所在する「木のおもちゃワールド館 ちゃちゃワールド」は、世界約40カ国から約1万点にのぼる木のおもちゃを集めた博物館だ。からくり玩具やあやつり人形、木彫りの玩具などに混じって、エスクードコンバーチブルをモチーフとした木工作品が展示されている。
 北海道在住のかわねこさんが、その噂を確かめに、TDA4Wを現地に走らせてくれた。果たして噂通り、エスクードを見つけることができるのか。かわねこさんからのレポートをここに紹介する。
それはドイツの木工品だった
 
 2005年の合併によって遠軽町になりましたが、わたし的にはやはり旧名の生田原(いくたはら)の方がしっくり来ます。
 と言っても、道外の方にはそこどこ?という感じですよね。北見市と、オホーツク海沿いのサロマ湖の間くらい、と言えば、なんとなくイメージは沸くかと思います。

 この「ちゃちゃワールド」の開設は1998年。第3セクター経営で、昔から木工が盛んだったことから、地元産のほか、世界40カ国から木のおもちゃを集めて展示している「世界の木のおもちゃ館」と、隣接する「コロポックル影絵美術館」のふたつからなっています。
 ここの特徴は、展示品の他に実際にこどもがさわれるおもちゃを用意していること。遊戯スペースが何カ所も用意されていて、訪れた時も家族連れで賑わっていました。
 入館料が大人ひとり600円かかりますが、いちど券を購入すれば、当日中は博物館、美術館ともに何度でも出入り可能なのは、良心的。
 また、博物館の方は、撮影が自由なのも嬉しいところです。

 事の起こりは、昨年秋にもらったESCLEV実行委員会からのメールでした。
 なんでも、この「ちゃちゃワールド」に、初代エスクードのおもちゃが展示されているというのです。それはいったいどんなものなのか。そして一般的に入手可能なものなのか。
 謎が謎を呼ぶ(違 
 それらを調べる指令が下されたのです。

 さっそく入館してお目当てのエスクードを探します。
 目指したものは、館内中央の比較的目立つスペースに展示されていました。
 ここまで来て、実はなかった、とか、鮭をくわえた熊だった、というオチだったらどうしよう、と、ちょっとドキドキしながら行ったのですが。
 それはガラスケースに、ガルウイングで有名なベンツ300SLと、オートバイ2台と一緒に収められていました。

 解説のプレートによると、ドイツの「ザイファート社」のものだそうです。ただ、車名がなぜか「スズキ・ヴィトラ」になっていました。隣のオートバイ、ドゥカティの表記も「デュカティ」なっているので、これはドイツ語読みなのでしょうか。

 大きさはスケールで言うと1/12ほど。
 現物を見るまでは、イメージ的に1/24か、1/48くらいを想像していたので、意外な大きさに驚きました。

 ごらんのように、間違いなくエスクード初代のコンバーチブルです。グリルガードもちゃんと表現されていて、木目を生かしたボンネットフードが美しい。
 タルガトップと幌、シートなどは、色違いの材質を使って、アクセントを加えています。
 ボンネットのプレスラインと言い、ブリスターフェンダーの表現と言い、技巧的に優れているだけではなく、エスクードに対する愛情のようなものを感じるのは、わたしの思い込みでしょうか。

 と、いうわけでエスクードファンの皆さん、ぜひ北海道までこれを見に来て下さい。
 
 丁寧に仕上げられているので、これが販売されているとしても、軽く万単位はするモノではないかと想像しますが、残念ながら販売はされていません。施設の方に話を伺うと、この施設開設の前年秋に、展示品を買い付けに行ったドイツで購入してきたものだそう。
 従って日本に代理店はなく、輸入もされていないようなので、現在でも通常ラインナップとして作られているのか、それとも特注品だったのかは不明です。
 なお、現在、施設の方が当時の資料を調べて下さっているので、また新たな情報が入るかも知れません。

 と、いうわけでESCLEV実行委員会さん、ドイツまでこれを買いに行って来て下さい。

 上記のように、こどもが実際に遊べる施設でもあり、家族連れに人気があります。これまでは、その駐車場の広さから、道の駅かと思って寄ってみたことはありましたが、今までこどものおもちゃだからと、入館まではしていませんでした。
 しかし、中の展示品は単なるこどものおもちゃにとどまらず、工芸品と呼ぶべき精密で美しいものや、歴史的な展示もあり、こどもから大人までじゅうぶんに楽しめるもので、見る価値は大いにあると言えるでしょう。

 館内のミュージアムショップにもいろいろな種類のおもちゃがあり、見ていてけっこう楽しめました。北海道にいらっしゃる時には、立ち寄り先のひとつに加えてみてはいかがですか。


 
                                
木のおもちゃワールド館 ちゃちゃワールド


"The wooden toy world hall CHACHA world" which carries out the whereabouts to Engaru-cho, Mombetsu-gun, Hokkaido Ikutahara.
is the museum in which it brought together "wooden toy" from 40 nations.about 10,00item.

A mechanism toy, a puppet play, a wood-carving toy, etc. are exhibited.
The woodwork work which used the escudo convertible as the motif is exhibited by this museum.

   

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