Evolution J20A
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J20A−16バルブユニット
−TA51WのJ20A−

各ガソリンエンジンのボアxストローク

 G16A 75.0x90.0
 J20A 84.0x90.0
 H25A 84.0x75.0
 H27A 88.0x75.0

 J20Aって、少なくとも「回るエンジン」ではないですね。H系の方がよほどストロークは短い。ただしV6は気筒が多い分、全体で一仕事終わるのに時間がかかる (・・・という解釈で合ってますか?)
 この数値、同じストロークから回想するのは、1カム16バルブのG16Aと似た乗り味だなということです。乗り味、たとえば回転数と速度との関係(3000回転なら100km弱とか)という点で、J20Aも非常に似ています。
 昔から言われる「H20Aがトルクが薄い」というお話ですが、4気筒なり6気筒が全部仕事して初めて「想定した100%の仕事」になる、みたいなことを考えると、スト
ロークが短くても気筒が多い分サイクルは終わっていないし、シリンダーひとつあたりの内径をとっても、瞬発力では直4に一歩譲るという所以なのでしょうか。同一回転数なら、トルクが出ていないということは、高速巡航時には回転数が少なくて済むから、静粛性等には優れる訳ですが。
 H27AやH25Aの諸元をみてみます。

 TX92W(2型 H27A) 車重1620kg
 馬力・トルク 177PS/6000rpm 24.7kg/4000rpm
 TD62W(2型 H25A) 車重1400kg
 馬力・トルク 160PS/6500rpm 22.5kg/3500rpm
 TD61W(H25A)     車重1350kg
 馬力・トルク 同上
     
 これに対して、TA51Wは車重1210kg。搭載されているJ20Aのスペック自体は、140PS/6500rpm、19.0kg/4000rpm。実用域に振っている分、エスクードには似つかわしい。しかし、この性格で考えれば、直4は排気量を上げるとしても、ストロークの見直しをかけないなら「高回転型エンジン」にはなりそうもないです。

 ところが、直4エンジンの一例で、ホンダのK20Aなどをあげると、
 レギュラー仕様参考スペック:114kW(155PS)/6,000rpm 188Nm(19.2kgm)/4,500rpm (RG1 ステップワゴン)
 ハイオク仕様参考スペック:165kW(225PS)/8,000rpm 215Nm(21.9kgm)/6,100rpm (FD2 シビック・タイプR)
 いくらVTECやら吸排気のチューンやらをしていても、そんなに差が出るのか!? と、半ば呆れてしまいます。このK20Aのボアxストロークなんですが86.0x86.0とされています。意外にも、マツダのRFディーゼルと同じです。何というか、黄金比?みたいなものがあるのかなと感じました。
 よそのエンジンはともかく、J20Aという直4−2000ccは、エスクードにおいては唯一、同排気量のまま、3世代にわたって供給されている、息の長いユニットです。3ドアのTA51Wに載せられている事例で述べれば、最高速度やそこへの到達時間を競うのは現実的ではない。街乗りの混雑時、高速道路での進入加速時、オフロードコースでのある程度のねばり。こうしたシーンにおいて「使えるか否か」を評価したいところ。その意味では実用的な領域で使えるパワーとトルクを備えています。さらに言えば、この使える領域をうまく維持していくことで、700kmの無給油走行が可能であることも、素性の良いエンジンだと評価できると思います。ただ、この航続距離を3代目の車重と燃料容量でこなせるかどうかはわかりません。TA51WとTL52Wでは、それぞれ実証された数字ではあります。
written by SIDEKICK.

 −TA52WのJ20A−

 ノーマル時代は常用回転域でのトルク感はありましたが、鈍い吹け上がりで加速感も乏しかったです。
  しかし3000回転超えると元気な吹け上がりで、気持ち良い加速でしたね。
 これらはスポーティーに走るための前提で、実用には問題ないと思います。低回転での燃料制御に疑問があり、プラグの熱価をひとつ上げたこともありますが、焼け具合を見ると、いわゆるキツネ色にはならなかった。最近の車は、排ガス対策や燃費向上といった関係から白く焼けやすいそうで、指定の番手に戻しました。
 現在は燃料噴射タイミングや点火時期調整、ハイオクガソリン常用などの工夫をしています。
 燃料噴射の工夫では、3000〜4000rpm位までのモタツキが軽減し、段付加速が無くなり、スムーズに高回転まで吹け上がるようになりました。エアコン使用時の負担を感じない程度のトルクアップはあるかもしれません。それで 劇的に豹変したとは言えませんが、標準と比べるとスポーティーになっていると感じます。
 TA51Wに乗ったことがありますが、場所が全てオフロードなんです。
 加速感は弄ったうちのと比べても遜色ないというか、変わらないような気がした記憶があります。
 一度舗装路を自由な速度で走って比較出来たら良いのですが。
written by 青影.

-TD54WのJ20A-

 「J20Aというエンジンの感覚的な感想をG16Aと比較した形で・・・」
 なかなか難解、何分前車TA01Wから乗換えてからこの春で3年が経過する状態。記憶の片隅からゆっくりと出してみます。

 【感覚的な違い】
 感覚からすると、G16Aに対して排気量は400ccのアップとなっているが、エンジン重量ではどれくらい重くなっているんだろう?
 TA01W/TA51W比較では100kgの重量アップ、フロント側が重く感じるはずだ。そして、ショートストローク化(厳密に言うとストロークは変化せず、シリンダー内径が増加)した事によるところか、低速での粘りが薄く、トルク不足を感じる事が多い。
 主たる状況は、コンビニ等への進入(極低速で歩道・路肩の乗越え)や林道・河原で4H-LOCKを使用した際に感じる事が多い。G16Aでは、気にもしなかった2速発進状態にてノッキングする傾向にある。ギア比は全体的にローギアかされて入るものの、最終減速比がハイギア化されていて、うーんと言った状態。
 あれっ、これってエンジンの問題ではなく、ギア比の問題?

 【パワー】
 排気量の向上、DOHC化にてパワー感は大幅に増加している。その差は歴然で、高速道路などでの移動ではその威力を存分に発揮する事が出来る。今までの苦労が嘘のよう、その代わり比例して ガソリン損失量も増加傾向となっているが・・・。
 またこのボア×ストローク量にしては、軽快に回る方のエンジンだと思う。レベル的には同排気量で考えると、ホンダ以下、日産以上といった感じではないでしょうか。

 【トルク】
 感覚的なものは上記に記載しているが、G16Aでは苦も無く侵入していた林道・河原においても、不整地などでの低速トルクが不足している分、ある程度の回転数をキープしなければならないため、アクセル・クラッチ操作に気を使う事が多い。
 泥地なのでちょっとでも回転を上げ過ぎると、自重増も手伝い逆に掘り込み過ぎて・・・。

 【ノイズ】
 エンジンノイズは同等レベルと言ったところ。次世代エンジンと謳われたJ20Aも今となっては基本設計は古いため、若干のがさつき感が感じられる。個人的には、ノイズがあった方が好みではあるが。
 低速トルク不足がエンジンのせいなのかを確認するため、TD54WにJ20Aのベースエンジンとなるカルタス系のJ18A(最大トルクを3000回転で発生)を搭載して比較してみたいものです。
written by TA01W.

Egress