SCENES
We are constantly running at ESCUDO.
 DORLOPは比較的新しいイタリアのブランドだが生産は中国で行われている。
 突如リリースされたエスクードのパッケージにはVITARA/ESCUDOと記されており、そこはかとない不安がよぎった通り、これをエスクードとしてみると、フェンダーマーカーの位置が国内仕様と異なる。フリーホイールハブもマニュアル化されていて、ドアノブも未塗装であるなど、早々に残念な仕上がりだ。
 これはサイドキックやビターラの仕様も販売する意図があるのだろう。箱絵にも左ハンドルの写真が使われている。
 しかしモデルとなった初代の一型という部分は、エンジンレイアウトの再現やサイドモールを取り付けていないところなどにきちんと表れている。グリルの内側にはラジエタースリットもある。
 コンソールパネルやペダル類、ミッション並びにトランスファーレバー、シートの形状も特徴をとらえているし、各部ドアが開閉可能でリアシートにはシートベルトも表現している。
 フェンダーマーカーだけが最後まで気にかかるが、一型用スチールホイール、それに見合ったトレッドサイズのタイヤも含め、全体的な出来栄えは及第点だ。
   
 車体をひっくり返すと、さすがに前後のサスペンションの細部までは作り込まれていないが、センタースルーのトランスファーシャフトは再現されている。ソリッドの赤はカタログモデルには存在しないが、ゴールドウイン・リミテッドTと、海外モデルにはある。
 総括するなら、誕生30年目にして、ついに18分の一スケールダイキャストを手にすることができるだけでも、初代ユーザーにとっては朗報中の朗報と言ってよいだろう。

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