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おとな7人きちんと乗れる
でも大抵の場合3列目を畳む
 二代目エスクードのマイナーチェンジに合わせて登場したグランドエスクードの出自は、北米市場において求められていた、より大きなペイロードを余裕をもって使いこなせるパッケージだったようだ。
 このモデルにもXL‐7というネーミングが与えられ、同車種名のSUVは後にGM製V6の3600ccを搭載したミニバンへと進化する。
 それは国内市場に陸揚げされることはなかったが、グランドエスクードとしての二代目モデルはH20A型V6(2000)をブロックの限界までボアアップし、2700ccという当時のスズキでは最大排気量を産み出した。

 H27Aは三代目にも受け継がれる184馬力(登場時は177馬力)、最大トルク25.5s(同24.7)を3300回転で発揮する。しかし車重も1.6トンに及んでいるため、多人数乗車への対応という性格であり、三代目の2.7のようにパワー重視で走らせるジャンルではない。
 マイナーチェンジによって4AТは5AТ化(この車種にはマニュアルミッション車は無い)されたが、多くのユーザーは2速ホールドがオミットされたことに不満を抱いた。
 小型車版の「クロスカントリー・セダン」に対して「クロスカントリー・ワゴン」。明らかに多目的活用を示唆するテーマが与えられ、前席2名、後席3名のさらに後方に、2名分のシートを用意した。

 二代目に比べてかなり大きく設計された後部ドアを開けると、左右独自に200ミリのスライド量を持つセカンドシートが、サードシートへの乗り込みを促す。
 室内幅、車幅共にエスクードと変わっていないが、大幅に後方にストレッチされた車内には、7名乗車の空間が確保された。
 マイナーチェンジ後はさらにセカンドシートへウォークイン機能も付加される。
 グランドエスクードが、この時代のコンパクトクラス3列シートの無理やりな定員と異なるのは、このシートスライド位置調節によって、セカンド、サードシートのどちらも足元がそれほど窮屈ではないということだ。
 長時間の乗車はともかく、大人がまともに7人乗れるのは、使ってみなければわからないギミックだった。
 ただ実際には、乳児幼児が3人いて、チャイルドシートをどう取り付ければいいのかで戸惑った若いお父さんがいらっしゃった。だからグランドエスクードは常時フル定員で使われるよりも、サードシートを畳み、少人数で広大なカーゴスペースを応用するのに重宝された。
 

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