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二階堂 裕

1954年、北海道旭川市生まれ。
RV4ワイルドグース代表取締役。
ジムニー専門誌 「Jimny Super suzy」発行人。

1973年海上自衛隊のパイロットとなる。1982年にスズキに入社、エスクードの設計コンセプトを考案。その後、インドネシア駐在を経て、1994年に4×4専門店RV4ワイルドグースを設立。オーストラリアンサファリやアジアンラリー、ボルネオラリーなど海外でのクロスカントリーレイドに多数参戦。ジムニーの第一人者で日本ジムニークラブ(JCJ)の会長を長く務めた。

 
 1980年代に5年ほどかけて、エスクードの開発に携わり、私は車体のサイズやサスペンション形式、排気量などを担当しました。
 ジムニーはジムニーのままで十分に市場を勝ち抜けるから、その先、将来求められる四駆を目指したのです。
 当時の話を今、メーカーサイドのコンサルティングでする際、あの時代に優れていたものが何であったか、パジェロを引き合いに出すことがあります。
 事実、私たちは二代目までのパジェロが、ジープの機能性をよく研究し、軽量でバランスに優れた四駆として作られたことを意識し、エスクードの開発はパジェロを参考にしたのです。
 パジェロが代を重ねて陰りを見せていった背景には、三代目にして四駆の骨格として重要なラダーフレームを捨て去ったことです。
 これはエスクード自体にも同じことが起きており、サスペンションの変更やモノコック化など大きな方向転換を余儀なくされています。
 しかも、この夏までに出てくる新型ジムニーでさえ、モノコック仕様の試作が一度は進みました。
 ところが現在の開発陣には、それがなぜダメな選択なのかをなかなか理解してもらえない。
 昔ながらの技術にも長きにわたって評価されるものはあるわけです。
 ただ、新しいジムニーはラダーフレームを強化する方向で決定したように、大勢の中の何人かはそのことを繰り返し説明してわかってもらえた。
 だからジムニーが一段落した後のコンサルティングでは、エスクードの原点回帰についても説いていきたいと思っています。
 今日(2018年5月27日)、初代のエスクードから、二代目、三代目、四代目のエスクード22台が集まる風景を拝見しました。
 これだけのエスクードを一度に見ることは、稀です。
 皆さんと話をしてみて、エスク−ドへの愛が伝わり、ジムニーとは少し違うのですが、エスクードの原点、その魅力を再認識しました。
 エスクードは、ジムニー同様に、比類なき存在で、スズキのブランドを支える大切な車種だと思います。
 

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