VOICES 
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つくばーど主宰 嵐田雷蔵

 1989年からスズキエスクードに乗り続けている、という、たぶん、ひょっとするとそういう変わり種はなかなかいないと思惚れるが、つまりことし29年めなので「エスクード歴30年!」 と言えない画竜点睛を欠いた男。
  近影が違うのではないかとの指摘については、「誰も俺を取材したりしてくれないから近影そのものがないんですっ」と言い逃れしている。
 
May.21.2018
 1989年にエスクードに乗り始め、代車として借り受けた2台の三代目エスクードを除外すると、やはり代車で提供された90年式ゴールドウインリミテッドを含めて、僕は初代モデルにしかライフステージを委ねていない。

 今でこそ初代エスクードは「RVブームの隙間からの火付け役」「SUVの先駆け」「本格オフロード性能を持つコンパクト四駆」など好印象の評価を得ているが、80年代の終わりにあってはそうではなかった。
 「軟派なデザイン」「半端なクロカン性能」
 当時、ジムニーに乗っていた僕自身も、そのようなことを口に出してはばからなかったのだ。

 人間、うかつなことは言わないほうが吉だと後に思い知らされ、エスクードに宗旨替えするのだが、それはつくばーどサイトで散々自戒したのでここでは割愛。
 
 僕の場合、クロカンの腕前はへたくその域なので、90年代に半端軟弱と言われながらもトライアルに乗り出していた友人たちにはとても敵わない。そこで、どこまで距離を伸ばせるかというマラソンクラスにおいて、エスクードにも取り柄があることを見出そうとした。
 地球から月までの片道距離は、二度達成したが、当然、無傷では済まない。現在所有している2台とも20年を越えており、劣化も避けられない。
 ましてや世の中ハイブリッドからEV、水素燃料車が実用化されガソリン車としては燃費数字だけで肩身が狭くなり、SUVもクロスオーバー化と言われ単なるステーションワゴンに戻っただけであろうに、エスクードもそこに巻き込まれている。

 それでも、初代なのである。
 これほど泣かされ、しかし面白く過ごせる車に、少なくとも平成の時代には出会わなかった。
 人は「懲りないねえ」と言う。そう、懲りてなどいない。BLUEという記号にはその意志が込められている。

 

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