えれめんつ in 岩手
藪と森と高原を走りつなぐ
 岩手県奥州市から遠野市にかけて、標高600mから800mほどの高原地帯を走った。このエリアでは著名な林道ばかりだが、路面状態はことさら四輪駆動車でなくても進むことのできる不ロットダート主体で、一部区間に藪の張り出しがある程度。上手に走りつなぐと三桁の距離にも達する。
 1990年以前は、一部の国道自体が全線ダートであった遠野も、バブル景気のころに舗装化が進行した。そうかと思えば、隣接地区の市道は2000年に廃道とされ、藪の域を超えてしまっていたりもする。
 さすがに前方視界の取れないようなところは避けるが、走行可能な薮道には、三代目エスクードも入れてみた。車体両サイドにまんべんなく、新聞紙を貼り付ける。格好は悪いが、引っかき傷から車体をガードできる。しかしそれ以上に気をつけなくてはならないのは、薮の下に潜んでいるかもしれない突起物や大きな溝などの障害物だ。
 このあたりの高原は、ほぼどこへ出かけても牧場の放牧ゾーンや牧草の育成と管理ゾーンで、そのエリアには影響を及ぼさないように走ることが鉄則だ。幅員も1車線しかないところが多いため、速度も上げられない。野生動物との遭遇率の高さにも注意する必要がある。撮影のため車外に出る際は、ラジオの音量を上げている。そして天候の急変。意外に思われるかもしれないが、奥州東部、遠野東部の高原は、太平洋沿岸気候と内陸の気候との境界線にあたり、陸中海岸の気象の影響を受けやすく、ピーカンであっても午後には霧に巻かれたり雨にあうことも珍しくない。
 そうした暗黙のルールをガイドラインとして出かけることは、決して窮屈ではない。安全を確保することが、結果的にツーリングを楽しく過ごすことができるのだ。
  


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