えれめんつ in 筑波
走りおさめの南斜面
 東日本大震災の影響で、世の中の歯車が何か今までと変わってしまった感があり、イベント設営には極めて消極的な1年だった。
 しかしまったく何一つやっていなかったわけではなく、再来年と来年に向けた企画の立案や交渉、平たく言えば営業と、内勤のようなことを多く手掛けていたためだ。
 雑誌連載の取材に立ちまわったり、少量生産としてESCLEVのステッカーを発注してみたり、エスクード誕生25周年(2013年)の記念品企画を進めていたり、クラブでないという割にはそこそこ多忙だったのである。
 そうこうしているうちに、12月になってしまった。つくばーどの忘年会とくっつけて開いているオフロードコースの走行会をやるか、林道ツーリングに出かけるか。この思案も、筑波山周辺の廃道やハードクロカンルートはともかく、林道レベルには災害復旧の規制がかかっていることから、乗り気にはならない。
 毎年出かけていた下館オフロードコースも、流行なのかロッククロウリングセクションに力が入り、なんとなくメジャー化してしまった。土のコースは泥と水をまいてあればそれでいいのだけれど、いささか食傷気味だ。
 そのため、今年はコースを東筑波ユートピアの山登りセクションに変更した。山肌の南斜面を九十九折れし、ときにはモーグルや急傾斜も現れる、これはこれでライン取りを要求してくる面白さがある。ただ、大勢の車両を仮置きできるスペースがないことで、使い勝手はよくない。一度にゲートをくぐって遊べるのは、せいぜい5台程度が限度だろう。
 当日のコースは貸切状態。通常、四駆は入ってはならないオフロードバイクセクションの使用許可も下りたので、全ルートを試すことができる。といっても山頂にはパラグライダーカタパルトがあり、フライト客を乗せたハイエースがとんでもない勢いで登ってくるというのが、コース自体の難易度を推し量る材料でもある。
 ここではむしろ、タイトコーナーを切り返しなしでクリアできるかをポイントにした方がよい。と言っているそばから曲がりきれないこともある。特に下りのアウト側は踏み外せば滑落だから、ノーズの持って行き方が肝となる。
 ドライコンディションが幸いして、スタックする参加者はなかった。日が傾くまでにはだいたいのセクションをあれこれと走りこみ、下山する。日が暮れたら忘年会と、皆既月食の観測。快晴の空にはパラグライダーが舞っている。今年の走りおさめは、もう一回あるらしいが、忘年会は盛況に開かれ、月食もベストな状況で見物できた。 
   


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