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それはともかく、フットマークスのお見送りの宴会には一番乗りして、カウンターで珈琲をいただきながら、はるちゃんと互いに“あやしいおじさん、暗い青年”時代のことを少しばかり話しました。
フットマークスは、カーマニアのモデラー、コレクターのよりどころでもあったらしく、一頃はところ狭しとスポーツカーのスケールモデルが並べられていました。
一時期、JCJ筑波支部の事務局にもなっていたようですが、最近はヨーロピアンズオールドカークラブの面々が愛用していました。
古くから通っていたのは、デコ姉やはるちゃんの釣りやキャンプ仲間たち。仲間というよりも家族同然の人々です。デコ姉に子守してもらった赤ちゃんたちが、もう中学生だったりするのですから、当時暗い青年だったはずが、あやしいおぢさんの第2世代になっているのは無理もありませんね。 |
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このお店は地元の同人・個人の文芸作品(笑)に、けっこう頻繁に登場しておりました。
最も古い記録は、現在「洛紫亭」を名乗られている赤まんとこと岡野秀明さんの怪しい作品集「ドーラ物語」とそのシリーズに、かなり若かりしころのデコ姉のことなどがつづられています。
氏が遊びの一連の笑い話を配信していた猫猫通信社刊「ニャンニャンタイムス」と、氏のライバルであった同人「唯」の主宰者・森田和樹さん(秋田県湯沢市)も、折に触れこのお店のことを書いていましたが、今は全て“失われた文明”と化しております。
それらの遺跡を発掘して回っていた後輩の志田龍介さんは、80年代に書かれたノンジャンルな空想小説で、シリーズ3作にわたってフットマークスを登場させています。これらは全てアマチュアが楽しみだけで創作していたもので、発掘された先代の作品群よりもさらにマイナーで、それを知る読者の方が“失われて”いるようです。 |
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志田作品には、師匠にあやかった「ドーラ日記」という1ページ楽屋落ちまんがも存在したらしく、デコ姉、はるちゃんはそこにも登場していました。
その更に次世代にあたるグループの中で、中西良二さんが書いた冒険小説(注:本人談。ただし当時のことです。当時って・・・彼まだ十代)においても、フットマークスが主人公のたまり場として現れます。ここではデコ姉は登場せず、はるちゃんらしき“マスター”が昔不良で今は中年トライアラーという形で、カウンターの中から主人公をやりこめております(たぶん、本人も知らないぞ、これ)。
デコ姉には公私いろいろとお世話になっていてキリがないのですが、なにしろ珈琲を飲みに行くというより飯を食いに行っていたようなもので、そのボリュームは大盛りを超えたすさまじさがありました。トースト類は、顎が外れるほど口を開けてもかじりきれない厚さのパンに、少しでも傾けたら雪崩のように落ちるであろうツナやタマゴが「これでもか」という勢いで乗せられている迫力。必殺の原価割れメニューですね。 |
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