《つくばーど in 激突の阿字ヶ浦》

フィレスターズ フォレスターズ
団長を奪還せよ!

 
『ふぃれ・・・ではない。ふぉれすたーず団長、ラスカル君。その優れた体力と明晰な頭脳は、我が羅須軽党にふさわしい』

 「なんだと? 貴様は誰だ!? 私はお前達の仲間などになった覚えはないぞ!」


 
『ふふふ、遅いのだラスカル君。キミが気を失って約5時間。その間に我々羅須軽党の科学陣は、君の愛車に改造手術を施した。い わば君は、もう首から下まで羅須軽党になってしまったのだ』

 
「改造だって? そ、そんなことは信じないぞ!」

 
『誰もが最初はそう思う。それでは実験だ。今から君を、初心者ヒルクライムトンネルに駆り立てる。普通のSUVでも充分走れるが、Sマークを施した君の愛車は、一度ここを通ったら、更に深みにはまっていきたがるのだ』

 
「うぬっ、そ、そういわれてみれば、ここちょっと面白そう・・・いやそんなことはない! 私の危機を察知して今に仲間が私を助けに来るさ」

 『それもよかろう。だが君の仲間達をこともあろうに“フィレスターズ”などと呼んでしまったり、あまつさえ“誰だョそんな呼び方してるのはー”などと言ってしまった君には、もうSの刻印の効力が発揮されているのだ。さあ往け! 我々はキミの果敢な走りを期待している! 世界を笑いの渦に巻き込み、民衆から笑いを盗ってくるのだ!』

 
「むむっ、そんなはずは・・・ああっ、手が勝手にシフトを入れる! 足が勝手にクラッチを〜」

 ラスカル団長と愛車に最大の危機が訪れた。
 一路、北関東自動車道を往くフォレスターズは、団長を奪還できるのか?
 急げフォレスターズよ、 団長の運命は、君たちの手に委ねられている。
 地球笑滅まで、あと365・・・(調子に乗るんぢゃない)

   これが激戦の図。

フォレスターズの放つインプレッサなど、羅須軽小僧のチョップで一撃だ。


しかも、屋根に乗り上げてインプレッサを押さえ込んでいるのは、実は団長所有の「団長分身ラスカル」だったりする。
フォレスターズ最強と言われる「ワルキューレの精鋭部隊」は、銀の剣を3振り、蒼の槍を3本、そして紅の矢をひと筋解き放ち、羅須軽党から団長を奪還した。

「みたかトリコロールのコンビネーション!」
「7対2だ、団長は返してもらうぞ!」

『うんうん、このまま放っておくと、合体して二足歩行巨大マシンになりかねないほど、統一性があるよなあ』

「これこれ、なにを感心して見とれているのよ。戦いに負けても勝負に勝たなきゃ意味がないのよ」


ぱすてるらべんだーRのへる・まさねの言うことはもっともだ。
彼女はとっておきの秘策を繰り出した。

「この刻印をお使いなさい。メッキ仕様で効果絶大」


『うむ。これはSEVの効能をくどくど説明するよりわかりやすいぞ。それではフォレスターズの諸君、また会おう!』


「団長! お怪我はありませんか?」

「ああ、なんとか無事に戻ってこられたよ」

「大変な目に遭いましたね。それにしても、すとらいくらすかるは老骨だからたやすいと思っていたけれど、あのぱすてるらべんだーとかいう助っ人には驚きましたね。」

「そうだな。なにしろあの妖しい輝きは目の毒だった」

「団長、なんだかまだうつろな感じがしますけど、大丈夫ですか?」

「うん、なんだかまだ背後から何かをささやかれているような気もするんだが、たぶん気のせいだと思う」
「それじゃあ引き上げよう。天気も良くてなによりだ」
「よし、海岸線に沿ってフォーメーションを組むぞ!」

しかし謎の刻印が、その効力をいつ、どこで、どのように
団長の身に降りかかっていくのか、それは、誰も知らない。
  

      
       あ゛・・・・・

 ※おことわり  このお話はフィクションであり、実在の人名、団体名に似たような名称が存在しても、それは気のせいで、本編とは一切関わりはありません。気のせい、気のせいだってば!