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その誕生には、2009年で廃盤となったKeiに対するSUVとしての高評価があり、よりク強くロスオーバービークルの性格と性能を盛り込み、2013年の東京モーターショーに参考出品されたものが、ほぼ仕様確定して市販化された。
室内空間を得るため5代目ワゴンRのプラットフォームを供用し、15インチホイールを採用し長めのストロークを持つ足回りを組み込み、最低地上高は180〜175ミリが確保されたところに、クロスオーバービークルとしてのスタイルが出来上がっている。ただこのリアサスは容量不足。アフターマーケットものも出ているが、先代スペーシアか先代ソリオあたりのパーツ流用が最も手軽な改修と言われる。
アプローチアングル(28゜)、デパーチャーアングル(46゜)で、そこそこのラフロード性能をアピールするのも、軽乗用車としては意外性のある部分だろう。
軽乗用車であるが故、ユーザーが検討するのはやはり室内空間。ちょっと数字をあげてみる。
全長×全幅×全高
3395×1475×1665mm
3560×1635×1665mm
ホイールベース
2425mm
2200mm
室内長×室内幅×室内高
2160×1295×1250mm
1595×1275×1240mm
比較に出した黒文字の数字は、実は初代エスクード1600ハードトップ(3ドア)のものだ。目いっぱいと言ったら身もふたもないが、外観ディメンションを除けば対エスクードとして見て極めて優秀なのである。
ISG(モーター機能付発電機)とS-エネチャージ用リチウムイオンバッテリーを採用し、発進後〜加速時にモーターでエンジンをアシストする「S-エネチャージ」は、本格四駆性能よりも重宝される実用技術だ。
登場時には他社のSUVに似ている旨の指摘を受けたが、時代の趨勢か、往年のスズライト・フロンテやフロンテ360に通じる表情に気づく人が少なかったのは残念だ。
そして「ハスラー」というネーミングもスラング面で揶揄された。
これは70年代に存在したTS系オートバイのペットネームを引き継いだもの。ポール・ニューマンの出世作となった映画のタイトルだが、おそらくスズキの人々がこのオートバイ発売時点で「ハスラー」の語意を誤ってとらえたことが発端だろう。
しかしこの愛嬌のあるカタチは鳥山明氏のキャラクター起用と相まってブレイクしている。あ、ももいろクローバーZの影響も大きいかもしれない。
2018年、ハスラーはデビュー5年を経過するが、ここまでのマイナーチェンジやモデルバージョンアップもめまぐるしい。2代目の誕生にはなかなかハードルが上がった感がある。 |