新潟県津南町と長野県栄村に跨り、中津川沿いに展開する秋山郷は、国内で一、二を競う豪雪地帯。国道開通以前は冬季に外界と隔絶される環境だったが、豊富な湯量の温泉が湧き出る“冬厳郷”(そんな言葉はないぞ)でもある。
雪に埋もれて露天風呂に浸かれる。そんな話が出てくると、やっぱり炬燵に入っていられない面々がいる。四駆ですらたどりつけないなら、自分の足も使おうと、彼等のアタックが始まる。

 埋もれ隊・浸かり隊の構成員
 隊長:青影さん(TA52W)
 とにぃさん(TL52W)
 sugi@TD94Wさん(TD94W)
 副長:おいたマンさん(TD94W)
 Black Diamondさん:エスクードTD94WサロモンLTD
 ふっじぃさん:ランドクルーザー70


 又聞きをまた再構成するので、事実と真実は雪の中だが、果敢にアタックした隊長機が、積雪に阻まれ引きあげられるという展開があるほど、思惑に沿った雪の量であったらしい。
 それでも暖冬だというのだから、埋もれ隊の作戦行動は思惑通りの圧雪路ツーリングを堪能した。
 しかし残念ながら、川原を掘って露天風呂を自ら作るという浸かり隊の作戦は、掘っても掘っても川原が出てこない豪雪と寒さによって、撤退を余儀なくされたという。

 彼等の停泊した宿は「野越え山越えお越しください」とアピールしている、秘湯の宿。話し好きのご主人は、一行に
 「雪道に強く、小さな車体でマニュアル車で車高が高くなくてはいけないのだが、そんな車があるモノだろうか」
 と問いかけたという。
 主人の考えでは、軽トラとジムニーを一緒にしたようなピックアップ4人乗りトラックが理想なのだが、生真面目な一行は逡巡しながらも
 「ピックアップはないが、それこそは初代エスクードだ」
とは言わなかったようで、ある筋からは「もう一回行って説明してきなさい!」との檄が飛ぶとか飛ばないとか。

 一汁一菜の夕餉と談話のもてなしによって暖まる一行は、早くも川原の露天風呂について雪辱戦の計画を練る。こうした正直者達には徳が巡ってくるモノで、翌日の出立時、車両を保管してもらった対岸の温泉主から、朝風呂のサービスを誘われる。前日の吹雪から一転して快晴の朝。
 日頃の行いは必ず報われる。
 雪辱戦を思い描きながらも、雪中行軍を堪能した一行が、再び秋山郷に挑む日は近い。 

写真提供はふっじいさん、青影さん、とにぃさん