9月に開く予定のミーティング集合場所を下見に行く準備をしているところへ、「林道の状況も偵察に行きますか?」と青影さんから誘いがかかり、「ではグランドエスクードもモルモットになりましょう」とコムロさんが申し出て、「なんでもいいからこの暑さから逃げ出したいです」とSIDEKICKさんも手を挙げた。要するに林道ツーリングに行きたかったところへ、あちこちから背中を押してもらったのである。
豪雨のあとの偵察行
 2008年の夏は、梅雨明け後でも各地でゲリラ的な集中豪雨が相次ぎ、河川の事故が目立った。短時間で鉄砲水を起こすほどの降雨量なら、林道そのものの状況も心配。ミーティングと林道ツーリングを併せ盛りするかどうかはまた別の判断だが、状況把握はしておこうと、利根町の追貝側から根利へ向けて栗原川遡上ルートで林道に入る。
 百名山の皇海山(2114m)山頂まで高低差800mという高度まで登る栗原川の林道。登山口までの移動経路となっているこの林道は、全線を走れば約40km弱のロングダート。皇海山登山口をほぼ中間点に、南側は比較的引き締まったダート。北側は林間ルートとガレ道が繰り返され、崩落も多い。だから豪雨の影響が気になるのは必然だ。
 8月上旬のコンディションで言えば、ほどよく荒れたルートは、エスクードでツーリングするには上々の路面状態。コイルスペーサでクリアランスを上げたコムロさんのグランドエスクードは、タイヤ自体がオンロード向けだが、コムロさん曰く「キックバックの大きさを別にすれば問題なく走れます。でも林道用に細めのタイヤも用意するかな」
 実際のところ、時速20kmの林道走行速度で走っていると、後方からミニバンやワンボックスに煽られる始末である。
 山中には登山だけでなく渓流釣りに来た乗用セダンも軽自動車も居るわけで、この程度のガレ道は彼等にはなんともないらしい。メジャー林道だけに通行量はそこそこあるが、彼等の走り方はいささか危険だ。こちらが譲る方法で回避しないと、事故に巻き込まれかねない。
 「夏場は道幅も狭くなりますね。思ったより草が長い」
 青影さんは先導しながらコンディションを確認。「ここから先行します」と、SIDEKICKさんも要所要所でカメラを構える。2時間程度の行程で通り抜けたが、翌週はどうなっているかわからないので、細心の注意が必要だ。根利側の新地林道は依然としてゲート封鎖されている。