SKETTOとは、S
incere Knowledge ESCUDO Technicale Tools Ownersの略称ということと、その綴りをなかなか覚えられないので、もうほとんど「シンセツデ ケイケンチヲモチ エスクードノ タヨリニナル トンカチト オニイサンタチ」で通ってしまっているようだ。
 今回召還された彼等には、あおいろさんのエスクードに、バーニィブランクス製のコイルスプリングと、その他もろもろのパーツを取り付けるミッションが通知されていた。


 SKETTOは、いつもいつも足回りの交換ばかりを依頼されているわけではない。時には車体にドリルを突き立て、いくつもの穴をあけるような荒仕事も回ってくる。
 あおいろさんの要請によってやってきた青影さん、kawaさん、sugiさん、suuuさん、とにいさん、TA01Wさん、コムロさんは、いつにも増して手際よくフロントの駆動系を切り離してコイルを組み込み、ものの2時間もかけずに半分の工程を片付けてしまう。これができてしまえば、リア側はもっと早い。
 なぜそんなにスピードを上げて足回りのメニューを片付けているかといえば、この日の作業にはラジエターグリルの交換、リアスポイラーの取り付けが含まれているためだ。グリルははめ込み式だが、スポイラーはボルト止めの部品で車体への加工を伴う。つまり、車体にボルト穴と電気配線用穴を、合計5ヵ所あけなくてはならない。

 「ほんとに穴あけていいね? 一ヶ所やったらもう後戻りできないからねっ」

 一応、念押しした上で、よってたかって屋根の後端部にドリルが突き刺さる。鉄板に次々と穴があいていく。しかしあおいろさんの手元には、suuuさんが車体職に塗装してきたスポイラーが新品のように輝いており、これを取り付ける誘惑に抗えない。
 あおいろさんは一同に作業を託して、黙々とトーストを焼き、とんかつを温め、大量のカツサンドをつくり、味噌煮込みうどんを茹で上げる。彼は彼で、名古屋名物「つけてみそかけてみそ」を使ったカツサンドと、味噌煮込みうどんを振舞いたいのである。
 曇天で気温の上昇はそこそこながら、湿度はいくらか高めで、SKETTOもイタチョーも汗がにじみ出る。しかし今回は、WESTWINの島監督から差し入れられたスポーツドリンクと、九州限定と銘打たれた「うまかっちゃん味のオーザック」が援護する。
 これだけの素材がそろって、作業がはかどらないわけがない。約7時間(うち昼食1時間)で、日没までにはすべての作業が進み、なぜか予定にないマフラーカッターやバックドアステップラダーまでもが取り付けられていた。

 「ありがとうございました。今回交換で外したスズキスポーツ製と思われるコイルは、WESTWINさんに使っていただければと思ってまして、すぐに送り届けます」

 
こうしてSKETTOのミッションは完了した。次回はkawaさんのν弾丸ノマドのエンジンフード交換と塗装とのうわさだが、詳細は不明である。