☆Runs 走ってみた



 ハイパワーもビッグトルクも、あっても邪魔には成らないし、拒絶する必要もない。けれども、それすらも必要としない快適さってものがある。オンロードとちょっとだけのワインディングでは、軽い車体が素直に前に出て、素直に曲がっていく。1型はかなりのアンダーステアだったが、マイナーチェンジでだいぶ乗りやすくなっていた。もちろん15年前のレベル、での話だが。
 時速100kmで前席部分の幌を開けていても、やかましさを感じないのはなかなかのものである。幌を全て取っ払った場合は、もう少しアクセルを加減すればいいだろう。
 コミューターとして、林道散歩としての運用には、コンパクトなサイズがなんと言っても扱いやすい。袋小路になっても、その場でターンが容易なのはありがたい。TD61Wでは、一旦停止して再発進するときにホイルスピンしてしまう土と落ち葉の傾斜路があるが、TA01Rは、その軽さが活かされ、するすると登り始める。
 リアのトラクションには、リア側のボディがない分不利か? とも思っていたのだが、まずまずのトルクバランス・・・
 と、感心するのは甘かった。ふかふかの砂地に持ち込んでみると、タイヤがH/T684というオンロードパターンである分を差し引いても、思うように走らない。平坦地はともかく、砂丘の登りでは、明らかに後ろ側のトラクションが不足する。
 ただしスタック寸前でも止まってしまうことなく走り抜けられるのだから、これはアクセルワークである程度リカバリーできそう。せめてタイヤをATに替えて、あらためて検証してみたい。
 しかし驚いたのは、やっぱりというべきボディ剛性の低さ。ねじれたりよじれたりの負荷は、ハードトップよりも大きくのしかかる。足の伸びを見ようとしたこの程度の乗り上げで、ドア開閉に抵抗が発生してしまうのは、経年劣化も手伝ってのこと? ほどほどに楽しむくらいにしておこう。
 なお、砂地走行は4Hレンジのみを使用。
 余談。2型は運転席まわりのほとんどが1型に準ずる。
 最も厄介なのが、パワーウインドゥの開閉スイッチとモーターユニットを納めたドアの内張。TA01V(貨物車)のウインドゥレギュレータ位置に単純にユニットを埋め込んであり、これが右膝に当たって痛いのなんの。まじめな話、昔はこれでジーパンの膝がすり切れた。この部分を後期型に換える・・・などというのはよくない。パッドか何かを張り付けておくのが、初期型とのつきあい方。