☆Rough グラントレックAT3でラフロードに


 土や泥道に持ち込むと、翌週予定している足回り交換作業時にひんしゅくを買うので・・・と前項で書いておきながら、やっぱり持ち込んでしまったラフロード。もちろんこのあと下回りはできる限り汚れ落としをしている。が、もしも目の届かないところがあったらごめんなさいの試走を行った。
 ステージの1は、落ち葉や枯れ枝が堆積し、雨によって湿った約200mほどの傾斜路。FRのまま進入していくと、あっという間にタイヤの溝に土が詰まってトラクションがかからなくなり、100m程度で登れなくなる。これは他社のオールテレーンでも似たような経験をしているが、ドライコンディションだったら楽に登れただろう。一時停止し、4Hに切り替えれば、難なくクリアできる。
 ステージの2は、同様に杉の枝葉が敷き詰められた、一見乾いたように見えるが湿ったフラットストレート。ここは緩い坂を下りながら左コーナーを回っていき、さらに緩斜面のストレートに移行する。4Hのままコーナーを抜けてからアクセルを入れると、十分なトラクションで加速は容易。時速30kmで急制動をかける。左右どちらかにぶれるようなことはなく停止できるが、溝が詰まっており、まともには止まらない。
 制動をかけた地点から、おおむね15mはオーバーランしている。浮き砂利のドライ路面でも、30km/h以上で走っていたら、似たり寄ったりではないだろうか。左右にぶれないというのも、ステアリングを中立にしてなんぼの直結四駆。この世代のエスクードにはトラクションデバイスはおろか、ABSもついていない。タイヤの性能云々以前の、走行速度の問題だ。ウエットダートは言うに及ばず、林道は特に速度控えめで走らなければならない。デバイスの恩恵を受けていても、このステージ2では、3代目も同じような結果になると思う。
 グラントレックAT3が低性能かといえば、決してそんなことはない。硬く締まった未舗装区間では旋回もしやすく、きちんとブレーキングできる。体感ではデューラーA/Tシリーズよりもサイドウォールがしっかりしており、むしろ高性能。それだけに限界が高い分、限界を超えてしまうとコントロールできなくなりそうで、そちらの方が心配。