☆Recognizable 高圧ホース修理後の試走


 ふと気がつけば、2025年は何も記録が書かれていない。
 次女、霙の日産フィガロが長期にわたって不調による入庫続きで、コンバーチブルはずっと彼女に預けていたから、ことしは夏の終わりまで自分で運転することが無かった。
 そのフィガロがいよいよエンジン修復不可能となり、霙は意を決してまったくコンセプトの異なるクルマに乗ることになる。もちろんフィガロを修理できず手放さざるを得ないという現実には打ちひしがれているようだ。
 フィガロとこのエスクードコンバーチブルは、奇しくも同年式の1991年モデル。フィガロの入庫に続いて秋口にATFの流出が発見され、エスクードも立て続けに修理に臨んだのだが、一つ問題があった。
 流出元は循環系の高圧ホースからで、二度目の故障。当然純正部品が底をついており、前回はホースの先端を切除して繋ぎ直した。もう一度これをやると、長さが足りなくなり再度取り付けられなくなるかもしれない。これは幸いにも、相談した専門業者の腕前で無事に修理でき、10月に復旧した。
 霙が打ちひしがれたのは、同年式の2台のこの違いだ。おそらく、フィガロもネットワークを頼り資金に糸目をつけずに粘ればどうにかなったかもしれない。だが彼女の場合、向こう10年を視野に入れて、あきらめきれなくても腹をくくれと母親に叱咤されての結論だった。
 エスクードの方は想像以上に安価な修理費で済んでいるが、あきらめの悪さとしか言い様がないし、さて今後10年を走らせられるかどうかも定かでない。

 
 修理明けの車体を近場の林道に持ち込み試走する。
 G16Aに不調は無く、1トンそこそこのコンパクトビークルは山道を快適に走る。それでも34年目のクルマだと実感するのは、低速で走る際の音の違いだ。きちんとオイル管理までしていてもトラックのようなエンジン音がしないでもない。
 おそらく新車のジムニーシエラの方が、エンジン音だけ聞き比べたら乗用車然としているだろう。まあこの音自体には特別問題は無いことと、むしろ四駆っぽく感じられるのでどうということは無いのだが。
 これでツインカムだったらなどと欲張りなことを考えた時代もあったが、シングルカムでも16バルブ化された2型は、最初に乗った8バルブの1型よりも軽快さを増しており、それでいて低中速トルクも過不足なく引き出せる。フィガロの場合、華奢なエンジンにターボ装備という過負荷の源を持たせていたのは、当時のスタンダードとはいえ大きく異なる。メカニズムは案外、シンプルな方が使い手も扱いやすく丈夫なのかもしれない。
 2026年は35年目に突入し、積算走行距離は340000キロを越えていく。