長飛丸とイヅナ


獣の槍に貫かれ、500年以上も蔵の中に閉じこめられていた、自称大妖怪。
かたやヒトの体内に憑依してこれを自在に操るもののけ。
でこぼこコンビは何のためにここにいるのか???




「長飛丸」

 イカズチを呼び、イカズチを放ち、数百里の野山を瞬く間に駆けめぐる。
 大陸で生まれたと伝えられ、その猛威は海を渡り、畏れられている。だが過去を詮索されるのを嫌ってか、獣の槍を持つ少年から与えられた“とら”という通り名を、気に入らぬと言いながらも親しんでいるらしい。

「イヅナ」

 すばしっこくて抜け目がないようで、そのくせ情にもろくて損な役回りを自ら招いてしまうことが多い。
 自他共に認める臆病者だが、なぜか長飛丸のような凶悪な大妖怪の相棒の位置に落ち着いてしまった。




このさきはありませぬ