ちょっとだけオフロードへ
ヒルディセントか2速ホールド(無いけど)か
 3代目3型エスクードの特徴のひとつに、ESP搭載車に対してヒルディセント機能とヒルホールド機能が追加された点があげられます。
 ヒルホールドは約2秒間、急傾斜での坂道発進時に、後方へのズリ下がりをブレーキングで補佐してくれるもの。これはドライ路面の未舗装路では、“無し”でも走り出せてしまったので、とりあえずどうでもいいやの評価。凍結した傾斜などでの発進時に役に立つのかもしれません。
 ヒルディセントについては、デフロック状態での4H、4L(ローモードは最初からデフロックされている)を使って傾斜地を下る際に、やはりブレーキングを補佐して極低速度で走行できるというものです。
 緩傾斜、急傾斜の未舗装路でこれを試してみると、緩傾斜はセンサーエラーが出たりでなかったりで、もともと必要なし。急傾斜では、なるほど4Hの1速(5AT)よりも低速度での下り走行が可能です。
 ただ、これもオフロードコースのヒルダウンや凍結路の下りでは重宝するけれど、オールユーザーの本質として、そういう走らせ方をどのくらいの頻度で行うかが疑問です。もともとこの機能は、エスクードのようなローモードを持たない車のための機能であって、条件付けが異なるのではないかと。
 極低速走行補佐である以上、通常走行時のブレーキングには使用できません。いや、ABSの存在云々ではなく、エンジンブレーキによる減速は、なにもオフロード走行時だけの使用ではないということ。オンロードを走行中、ATセレクタの操作で減速することの方が日常だと思うのです。
 つまり、5速ATのXSは、4速を飛ばしても3速と1速という減速になり、本来使用頻度が高いはずの2速ホールドが出来ないことの方が、使い勝手の面で気になるところ。
 ヒルディセントが不要とまでは言わないけれど、使用できる状況が、対オールユーザーという視点で見た場合、どうなのか? と感じる部分です。
 ただし、だからといってエスクードがSUVとして他車に劣るという理由にはなりませんので、誤解のないように。