あまりにも長く続く真夏日にSIDEKICKさんが切れた。
 「浜名湖から鰻持って行くから食いたいだけ食ってくれ!」
 スーパー〇〇の特価品ではない。養殖とはいえ天保の白焼きだ。

 ふつう、鰻なんて丼か重に2尾くらい並んでいるものだと思う。
 それが今回、保冷皿に山盛りに乗っている。
 いや、いいのかそんなに贅沢しちゃって。白焼きをわさび醤油でつまんでいるうちに、次々とタレに彩られた蒲焼が焼きあがる。
 蒲焼食い放題なんて、目黒の秋刀魚をも凌駕するぞ。
 しかもその傍らで、AMGさんがニンニク漬けして煮込んだ牡丹肉の叉焼をどんどんスライスして炙るのだ。それに負けじとクロさんが自宅で栽培した茄子とピーマンを焼き続けている。
 あれっ? 網の上にはいつの間にか三筋牛肉とねぎ塗れした豚バラまでが大量に並んでいるではないか。誰だこんなの仕込んだのはっ
 というところへ、霙が炊飯ジャーを抱えて現れ
 「お米一升炊きあがりですー」
 ちょっとこれは・・・いくらなんでも食いきれないんじゃないか?

 

 しかし、ことはそれで収まらなかった。
 「食後のデザートに甘いもの買ってきた」
 青影さんがもちもちの抹茶クリーム饅頭と抹茶ケーキとレアチーズ風味のシュークリームをどさどさと差し入れる。
 「岩間のつくばーどは美味いもの波状攻撃でしょ?」
 いやいやいや・・・それにしたって限度ってものがとびびっているところへ、クロさんがとどめを刺しに来る。
 「レモン牛乳とメロン牛乳ありますよー」
 さあどこからやっつければいい?
 もはや暑いの寒いの言っている場合ではなくなっていた。