Beginning クラブとのコンタクト
 1999年春、その半年ほど前に加盟していたエスクード・オーナーズクラブの交流で、初めて他のエスクードユーザーとのオフラインミーティングに参加した。
 これ以前の四駆仲間とのコミュニティは、1982年来内輪で構成していたクラブのようなそうでないような集まりに完結しており、単一車種の全国的なクラブとは縁を持っていなかったし、山道に出かけるのもほぼソロでのツーリングに終始していた。この頃エスクードは4台を乗り継いでいたものの、クラブメンバーという意味ではビギナーに立ち返ったようなものだ。
 だから、クラブミーティングのノウハウも経験もないに等しい状態で、メーリングリストの回覧からオーナーズクラブを学んでいったのだけれど、メーリングリストのローカルルールはどことなく窮屈であった。
 あとになって理解することになるが、このオフラインミーティングも、オーナーズクラブがクラブイベントとして企画したというより、クラブメンバーの有志が声を掛け合い、日程に都合のつく者やオフロード走行をしたい者が三々五々集まるという性格の、走行会とキャンプをミックスした、半分くらいは私的なイベントだった。
 こうした細かいアナウンスは特に必要なかったのだと思うが、そこは不親切といえば不親切。これをクラブの公式イベントだと誤認したままのこちらもいけない。いずれにしても初めて参加するには、いささかハードルが高かった。何をどこまで装備していけばいいかも解らないし、子連れで出かけて迷惑になってはいけないだろうとか、昼飯は勝手に用意して食ってしまって良いのかも判然としない。
 もちろん門を叩いてしまえば、エスクード仲間は1人残らず親切で気のいい面々ばかり。心配事など何もなくなってしまうのだが、やっぱり連れてきた家族を放置もできず、要領も得ず、面白かったのかといえば、何から何まで面白かった、とは言えなかったのである。
 それならば、自分では何ができるのだろう? クロカン四駆のドラテクに長けているわけでもなく、車の知識が豊富なわけでもない。そういうポジションに自分を定義したとき、初めてやってくる人が面白く過ごせて、四駆というフィールドの入口に立ちやすくすること。その部分に自分がこなせる役目があるかもしれないと、思った。
 たとえばクロカンなら上のステージには、初のミーティングで出逢ったベテランがたくさんいる。そこへ行きたくなるまでの、初心者向けのツーリングや対話の場所を設けたいと。それが「つくばーど」のBeginningとなる。