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| あと500キロで990000キロになるよ | ![]() |
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前回の上州路漂流の際、時間の都合と食いすぎで立ち寄れなかったところが、安中市の松井田の丘の上にあった。 「アルカディア」という名前の手作りパンの店だ。 前回は軽井沢から横川に降りてきて、松井田妙義で上信道に乗ってしまった。インターチェンジからはたいした距離ではなかったのだ。 この後悔を放置してはならぬと、再び群馬県にやってきた。もちろん、全行程500キロを走らせ、ラストスパートへ踏み込むという目的もある。 9時30分に開店するという手作りパンを求め、浅間山と妙義山を遠望できる丘をたずねると、まさしく焼きたてのパンが次々とショーケースに並べられているところだった。 2003年にこの地にやってきて、ようやくパン作りの慣らし運転が終わった気分だと、オーナーご夫妻はニコニコしながら出迎えてくれた。食べやすい大きさ(いくらか小ぶり)のパンが何種類も焼き上がり、目移りする。 陽ざしのある暖かな朝。デッキテラスをお借りし、コーヒーもオーダーして朝食をいただく。柔らかな食感と、噛み応えのある生地という表現は二律背反のように聞こえるかもしれないが、それが心地よい。朝一番の時間帯は来客もまだ。朗らかなご夫妻とおしゃべりさせていただける贅沢も楽しい。 「アルカディア」という店名には、パン作りをしながら思い描いたライフステージを築いていきたいというご夫妻の願いと想いが込められているようだ。 その想いは、素敵なパンとして形作られている。 |
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今回の漂流は、松井田から長野原に向かって八ッ場ダムまで走り、そこから渋川へ下って帰路につくルートを組み合わせている。 「アルカディア」から少し移動した街道に寄り添う増田川の一角に、「らせん式魚道」という変わった構造物がある。一石二鳥でここにも立ち寄りたかったのである。 元々は1958年に完成した上木馬瀬砂防堰堤に、耐震補強を施しながら2006年に追加されたのがこの魚道だ。全国各地に所在するそうだが、関東地方だとここと埼玉県の二か所しか事例がない。 農業用水に活用される円筒分水とは用途も規模も異なるが、土木技術者の叡智は面白いものを作り出す。 このまま地蔵峠を越えて倉渕村経由で長野原町へ移動する。土木構造物の代表格ともいうべき八ッ場ダムを眺めるも、まだ紅葉見物には早かった。源頼朝が拓いたといわれる川原湯温泉の源泉を見物した後、昼食に八ッ場ダムカレーというのも芸がないなと考えていたら、八ッ場ラーメンを見つけた。塩、しょうゆ、豚骨のうちしょうゆを注文する。細打ち麺は好みだ。面白いのはあっさり系のつゆが食いはじめと食い終わりで若干味が変わる。 八ッ場ダムの今年の夏は過酷だったらしく、満水時の14%まで水位が下がったとか。台風15号以来少し解消したそうだが、ここが存在しなかった場合、利根川水系下流域には取水制限が出されたかもしれないと、ガイドが説明していた。 橋の上から見下ろすと、吾妻峡の渓流は元気よく流れているように見えた。 |
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吾妻峡に沿って東吾妻の町に入ると、前回発見した和菓子屋でパン屋の「金加屋」まで意外と近距離で到着できる。 お邪魔したところ、先月の飛び込み買い物を覚えていてくださった。今日は、和菓子の方を買い求めようと、塩あんまんじゅうを購入する。 初代の創業は大正時代に遡り、饅頭屋で通っていたそうだ。この界隈は味噌饅頭などを製造販売する商店が多い。「金加屋」はその中でも老舗中の老舗なのだろう。現店主は三代目で、お若いころに東京に出てパン職人の腕を磨いてこられたという。近隣学校給食などにも出荷していたそうだから、ある意味饅頭を追いかけソウルフードとして定着しているのかもしれない。 ここからはひたすら帰路を走るだけだ。 週末と異なり、日の高い時間帯は渋川伊香保インターまでそれほど時間はかからない。ただ、国道バイパスとして上信道(上信越道とは別の高規格道路)がどんどん整備されていて、長野原と渋川を直結してしまうようになれば、東吾妻や中之条は少なからず通過されるという影響を受けるのだろう。 いやそれはもったいない。「金加屋」の饅頭もパンも、安くてうまいのだ。 帰宅させて積算走行距離はぴたりと990000キロを刻んだ。 12月の車検満了まで、残る距離をどれだけ走り切れるか。まだ不確定要素が多すぎる。 |
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